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ユニバーサルファッションDAY~みんなでつながる笑顔の祭典~ 大本山須磨寺(須磨区須磨寺町)

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10月10日(日)大本山須磨寺(須磨区須磨寺町)でユニバーサルファッションDAY~みんなでつながる笑顔の祭典~が開催され、晴天のもと須磨寺の境内に作られたランウェイを、24人のモデルたちが思い思いのパフォーマンスで歩いた。 (主催/M.Y.S KobeユニバーサルファッションDAY実行委員会)

市立高倉中学校、一絃琴部

ユニバーサルファッションDAYは、障がいのあるなしや世代に関係なく、あらゆる人に〝おしゃれを通じた楽しい交流〟をしてもらうことをコンセプトに開催されたイベント。今回で3回目となる。オープニングは、市立高倉中学校の「一絃琴部」による一絃須磨琴の演奏。  子どもモデルの衣装は、県内の公立高校家庭科クラブからデザイン画を公募し、そこからモデルそれぞれが選んだものを県立兵庫工業高校デザイン科アパレルデザインコースの生徒が衣装へと仕上げた。

井関ゆうなさん

赤松さん家族。左から紗英さん、悦子さん、胡実さん、穗さん、父親

モデルの井関ゆうなさん(19歳)は「前からショーのモデルに憧れていて、昨日から楽しみでした。選んだ衣装は色と袖や裾が長いところがお気に入りです」とにっこり。赤松紗英さん(11歳)、穗(すい)さん(9歳)、胡実さん(6歳)の三姉妹がランウェイに登場すると、母親の悦子さんは「3人がランウェイを歩く姿を見て、苦労が全部吹き飛びました」と目を潤ませた。悦子さんは次女の穗さん以外の衣装を自身で手作り。生地と格闘し、挫折しそうになりながらも完成させたという。

日置有紀さん

パラリンピックで聖火ランナーを務めた車いすモデルの第一人者、日置有紀さんは舞台での演技パフォーマンスと早着替えを交えたウォーキングを披露。「見る機会が少ない車いすモデルのウォーキングを見てもらうことで、車いすや障がいがあってもモデルができるんだ、お洒落していいんだと思ってもらえるきっかけになればうれしいです」と話した。

中村美智留さん

 

最後に神戸デザイン協会より応募された衣装デザイン画の中から、コンテスト受賞者への表彰があった。デザインと制作を違う高校が担当しながらも、モデルの子どもたちの意向を汲んだ衣装を作り上げ、開催コンセプトの「あらゆる人が関わる交流」が体現された形となった。

会場となった須磨寺は、震災以降ユニバーサルデザインのお寺を目指し境内は車いすで移動できる造りになっている。小池陽人副住職は「真言宗にはすべてが平等に尊いという教えがあり、今回の趣旨とも相通じるものがあります。昔から変わらないことなんです」と話した。

イベント終了後、M.Y.S Kobeの中村美智留代表は「最初にモデルさんたちが笑顔で到着した瞬間からずっと感激していました。毎回ですが、参加しているみなさんに私たちが笑顔とかけがえのない時間を貰っていると感じています」と感慨深く語った。

※一絃須磨琴/千百年前に須磨で生まれたと伝えられる、一枚の板に一本の絃を張っただけの素朴な小琴。須磨寺には一絃琴の中興の祖といわれる高僧、覚峰が1802年に奉納した一絃琴が今も宝蔵されている。

※ユニバーサルデザイン/「年齢や能力、状況などにかかわらず、できるだけ多くの人が使いやすいように、製品や建物・環境をデザインする」という考え方。

※M.Y.S Kobe(メイクユースマイル神戸)/「あなたを素敵な笑顔にしよう神戸から!」の想いで活動している市民グループ。

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