編集記事

須磨区

「サマープロジェクト」啓明学院高等学校(須磨区横尾)

記事 「サマープロジェクト」啓明学院高等学校(須磨区横尾)のアイキャッチ画像

啓明学院高等学校(須磨区横尾)では夏休みを利用して生徒が学ぶ機会を創出する試み「サマープロジェクト」を実施した。


このプロジェクトはコロナ禍でさまざまな活動が制限される中、可能な限り生徒の学びの機会を作ろうと教員たちが発案し生徒に向けて呼び掛けた自主企画。6プロジェクトに計49人が参加した。

左から石川智貴さん児玉梨々子さん加藤浩史教諭

流木のオブジェ作り

流木のオブジェ作り

さまざまな光景のスケッチや、スナップ撮影を目的とした「淡路島を巡るスケッチ旅行」は8月4日に日帰りで実施され、18人が参加した。明石から高速艇で淡路島にわたり、島内はレンタサイクルで移動。この日は天候にも恵まれ、絶好のサイクリング日和だったという。建築家・安藤忠雄設計の「淡路夢舞台」は斜面を生かし重層的に構成され、自然と一体化した壮大な施設で知られる。生徒たちは思い思いにシャッターを切りスケッチに取り組んだ。児玉梨々子さん(1年)は「硬くて鋭いイメージがあるコンクリートで造られた建築だが柔らかくてきれいだった。光の明暗や遠近法など緻密な計算があった」と感想を話した。ほかに、蓮池の下に本堂がありユニークな構造となっている「本福寺」や「淡路島国営明石海峡公園」ではヒマワリなど夏の花々を観察。「アート山大石可久也美術館」では流木を使ったオブジェを製作した。石川智貴さん(1年)は「久しぶりに出掛けられたので気晴らしになった」と笑顔を見せ「建築に興味がない人にこそ観て欲しい建物。見応えがあった」と丁寧にスケッチをし色鉛筆で仕上げていた。企画した美術担当の加藤浩史教諭は「アート体験が生徒たちの興味関心を引き出し、学びとなるきっかけになったのでは」と語った。

左から近藤絢花さん、山本莉子さん、谷本百合香教諭

7月27日から5日間、計15時間のプログラムで実施された「浴衣製作と着付け」には3人が参加。企画した家庭科担当の谷本百合香教諭は国際交流にも携わっており、海外で浴衣を披露した時の日本文化への関心の深さを実体験している。「自分で着られない人が多いのはもったいない。まずは自国の文化を知ることが大切」と感じ企画した。

生徒たちは好きな色柄の反物を選び生地の裁断から始まり手縫いとミシンで仕上げていく。近藤絢花さん(1年)は「浴衣を持っていなくて裁縫は得意ではないけど挑戦したい」と参加を決めたという。山本莉子さん(1年)は「ミシンで真っすぐ縫ったり、手縫いで襟のカーブを出すのが難しかった」と話した。サッカー部に所属する2人は日頃から活動的で参加は意外だったと話す谷本教諭は「集中して頑張っていた」と奮闘ぶりに目を細めた。完成した浴衣は校内にある茶室「一隅庵」で着付けを習い、記念撮影を行った。「コロナが終息したら作った浴衣を着て京都や花火大会に行きたい」と声を弾ませた。

カテゴリー