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「人とのつながりと健康との関係」UNITY大学共同利用施設(西区学園西町)

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6月12日(土)UNITY大学共同利用施設(西区学園西町)で「人とのつながりと健康との関係」の講演会が開催され、地域活動に関心を持つ17人が参加した。

主催/西神ニュータウン研究会  講演では講師の丸尾智実さん(神戸市看護大学准教授)が、人のつながりがもたらす健康への影響など、地域活動と病気との関係を話した。

丸尾智実さん

「〝健康〟とは、身体の状態だけを言うのではなく、社会での役割や繋がりなど心の拠り所を持ち、心身ともにバランスが取れている状態である」という定義がある。実際にイギリスでは人との繋がりが少なくなることで病気になり、国家経済で4・9兆円の損失を与えるとするデータがある。日本でも今年2月に内閣官房に「孤独・孤立対策担当室」が新設され「孤独・孤立対策担当大臣」も誕生した。

〝人との繋がり〟が健康に与える影響は、考えられるよりもはるかに大きいことがわかってきている。親しい人と会えない、地域・社会活動に参加していないなど、人との交流や社会的な関りがなく孤独感があると、認知症の発症率や死亡率が上がるだけでなく、心疾患、脳卒中発症率も上がるとのこと。また運動やアルコールを控える、禁煙など健康に気遣う行動よりも、社会と繋がりを持っていることのほうが健康により良い影響を与えていたという研究結果があり、その内容に専門家も衝撃を受けたという。グループ活動の効果の例では、個人で週1回以上運動をしている人よりも、グループで週に1回未満しか運動をしていない人の方が、4年後に介護認定を受けるリスクが低い結果がある。

左から、内藤富夫さん、橋本彰さん(西神ニュータウン研究会)

新聞で今日の講演会を知り、垂水区五色山から参加した中塚美佐子さん(70代)は「行動派で旅行に一人で行ったりもします。まだまだ人生長いので人との繋がりを大事にしたいと思って今日は聴きに来ました。いつまでも元気で活動できるように学んで帰りたいと思います」と話した。

かりばプラザ(西区狩場台)でコミュニティを運営している佐野正明さんからは「男性が地域に参加しやすくなる社会的なしくみを作るには」という質問があがり「高塚山を愛する会」会長の内藤富夫さんが「難しく考えずにみなさん遊びましょう!そこから色んなことが広がっていきますからね」と発言するなど活発な意見が交わされた。

丸尾さんはそれぞれの意見に応え「繋がりを作るために大事なことは、たとえば高齢だからという思い込みをやめ自分にできそうなことはないかと、地域と人に関心を持って関わっていただけたら」と話し、「まずはよく出会う人にあいさつするといった、ちょっとした心がけから初めてみてください」と締めくくった。

 

次回は7月24日(土)午後2時~4時「リノベーション・神戸 西神中央活性化プラン~進化する上質なまち~」TEL078(794)4970

〈西神ニュータウン研究会〉  2003年に発足。成熟した住みよい街と活性化を目指し、毎月1回講師による公開講座や住民主体の意見交換を行い、年に1度周辺地域の見学会や刊行物の発行をしている。

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