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自然体験で身体の養生①「田植とダイズの定植」

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5月22日(土)に神戸市立神出自然教育園(西区神出町)で「自然体験で身体の養生①『田植とダイズの定植』」が行われ、幼児から小学生までの子どもと保護者9組が参加した。梅雨の晴れ間、田んぼや畑に子どもたちの歓声が響き渡った。

神出自然教育園では「人・自然とのふれあい 今、感動体験を!」をテーマに、子どもたちに五感を通して豊かな人間性や「生きる力」を育んでもらおうと、学校を中心に自然観察や体験学習の場を提供している。一般市民にも開かれた施設を目指し市民向けのイベントも行われており、本年度は稲刈りや豆腐づくりなど8回のイベントが予定されている。今回はその1回目。

はじめに、しおさき鍼灸施術所の中村沙樹さんより、日本のセルフケア概念である「養生」について話があった。中村さんは「土に触れ風を感じるなど、今日の体験を通して自分自身の心と身体の状態に気づく感覚を養ってください」と伝え、全員で前屈し身体の硬さを確認。「終わった後、自分の身体や表情の変化を確かめてくださいね」と呼びかけた。その後、職員の横山太基さんが田植え機の普及以前、手植えする際に使われていた「田植枠」について説明。田んぼを手でならし、苗は3本ずつ、人差し指と中指で挟んで田植枠の目印に沿って植え付けていくこと、植える際の注意点などを伝えた。

この日の稲の苗は4月20日に種まきした種もみを育苗機で育てた「コシヒカリ」。素足になり、水が張られた田んぼに入った親子は「ヌルヌルする~」「気持ちいい!」などの声をあげ、泥の感触を味わいながら一歩一歩慎重に歩みを進めた。家族ごとに協力して田植枠を使い、1人が苗を渡し1人が植え付け、割り当てられた場所を植え終えた。子どもたちはカエルの卵を見つけたり、泥だんごを作ったりしながら田植を楽しんだ。
昼食後は職員の加塩大祐さんより、弥生時代に始まったダイズ栽培や利用方法についての話があった。長靴に履き替えた親子はダイズ畑へ。マルチングフィルムが張られた畝に、スコップで穴を開け苗を定植した。冬眠から目覚めたツチガエルが穴から飛び出すアクシデントに親子は驚きの声をあげた。ジャガイモ畑へ移動し、職員の中西康之さんよりジャガイモ栽培について話を聞いた後、親子はまるまると大きく育ったジャガイモの収穫を楽しんだ。

参加者の早田海琉さん(西舞子小1年)は「田んぼがふにゃふにゃしていておもしろかった。泥んこも初めてで楽しかった!」と喜んでいた様子。小学生の子ども二人と参加した中村桐葉さん(中央区)は「自然の中で子どもたちが生き物を捕まえたり、農作業をしたりと自由に楽しみ笑顔が見れてよかった。裸足の感触が新鮮だった」と笑顔を見せた。中村玉樹園長は「身近な自然に気づき、その良さを感じるきっかけになれば」と話した。

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