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垂水区

垂水のいいね!人物編 旧グッゲンハイム邸 管理人・音楽家 森本 アリさん

2021年5月26日号掲載

せまい路地、急な坂、小さなまちの魅力を発信

 旧グッゲンハイム邸
管理人・音楽家 森本 アリさん

 

◎塩屋の風景に溶け込む古い洋館

塩屋の海を望む築百十年を超える洋館「旧グッゲンハイム邸」は、所有者を変えながら住民の努力で受け継がれてきた。現在は、コンサートなどイベントやパーティー会場として広く親しまれている。国道2号線から線路の向こうに佇む洋館の姿は、垂水の多くの人にとって親しみのある景色だろう。森本アリさんは、両親がこの歴史的建築物を保存・維持のために買い取ったことで、管理人として関わることになった。洋館で開催される様々なイベントの企画プロデュースや貸し会場の運営管理を行っている。また、音楽家としてのライブ活動やワークショップとともに、「シオヤプロジェクト」などの塩屋のまちづくりにも広く携わっている。塩屋で育った森本さんの実家は旧グッゲンハイム邸の東側にあり、毎日洋館を眺めながら塩屋小、塩屋中に通った。「僕にとって原風景」だという。父の祖国ベルギーに留学、小劇場でバイトをしながら、大学では現代アートを学んだ。「劇場の規模が小さ過ぎて、イベント企画、プログラムのデザインや印刷、カフェなど何でも担当したことが、今につながっている」と語る。

〈上〉1階と2階に設けられた5連アーチのベランダが特徴
〈下〉塩屋海岸を望む高台に建つ西洋館

◎コロナ禍でもできることを探して

昨年はコロナ禍のため3月以降の全てのイベントがキャンセル、その後の企画もストップしてしまった。無収入の中、すぐにライブ配信を開始し塩屋と東京や京都を中継したリアルタイム遠距離セッションを行った。そして、人数制限や時間短縮など工夫しながら、映画やトークなどリアルのイベントも徐々に開催していった。また、ウェブショップをオープン、在宅時間が増えたことで出来上がったレシピ本やぬりえ本、CDを販売するなど「コロナで生活が変わったことで、ネット配信を工夫したり、新たな交流ができたり、偶然が重なってしぜんと生まれた成果物もあって、けっこう忙しくやってますよ」。できることを模索し、楽しみながら活動する森本さんと仲間の皆さんのしなやかなたくましさに感銘する。これからも、塩屋はもちろん神戸の様々なまちを探訪し、その魅力を発信していく。

シオヤ プロジェクト
〈上から〉しおやカルタ
勝手にまち探訪
数々のイベントのフライヤー

web shop 「旧グッゲンハイム邸エイド」 https://nedogu.thebase.in/

シオヤプロジェクト
http://www.shiopro.net

旧グッゲンハイム邸
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※イベントのチェックはHPのカレンダーで!

旧グッゲンハイム邸
垂水区塩屋町3-5-17
TEL:078-220-3924

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