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県立須磨友が丘高等学校(須磨区友が丘)ブックレポート

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県立須磨友が丘高等学校(須磨区友が丘)1年生(取材時)の生徒が授業の中で作成した書籍の紹介ポスターが3月8日(月)~31日(水)まで須磨パティオ内にある喜久屋書店須磨パティオ店(須磨区中落合)に掲示された。(写真は喜久屋書店内のコーナー)

総合学科である須磨友が丘高校では、将来の進路を見据えたキャリア選択ができるように生徒全員が「産業社会と人間」の教科を履修。現在はコロナ禍で一部中止となっているが例年は自己理解や進路学習に関する講義や出張授業、企業訪問など実施して、職業や社会について理解を深め自己の在り方、生き方を考える学習内容となっている。

左から松廣ひなたさん、林優希さん、安室星麗さん

同校1年生(取材時)240人は「産業社会と人間」の授業の中で国際学や言語学、スポーツ学など13の学問分野の中で興味・関心がある分野を選択。分野ごとのゼミに分かれ、各ゼミで設定された課題本をもとにした研究を昨年9月から取り組んだ。同校総合学科推進部担当の岩本和也教諭は「関心がある学問分野の本を通じて今の社会を学び、本を読み込み研究することで考察する練習になる」と話す。まずは本を熟読してレポートを作成。その後、ポスターにまとめて昨年12月に校内で発表会を行った。

安室さんのブックレポート

松廣さんのブックレポート

林さんのブックレポート

「学生が作成した本の紹介とともに(同校の)取り組みを地域の方に見ていただきたい」と櫻木千恵教諭が同校近隣の須磨パティオ内にある喜久屋書店に協力を依頼。各ゼミでの優秀作品ポスター13枚の横に紹介した書籍を掲示したコーナーが作られた。安室星麗さんが紹介したのは「勝てる脳、負ける脳」(内田暁、小林耕太著・集英社新書)。小学4年からバレーボールを続けている安室さんは「練習したことがないことを試合でするのは不可能」という内容に実体験もあり大きく共感。「今まで力勝負だったけど勝つための計画的訓練と動機づけが大事なことが分かった。スポーツで活躍したい人や自信を付けたい人に読んでほしい」とアピールした。松廣ひなたさんは「わかりあえないことから」(平田オリザ著・講談社現代新書)を紹介。「筆者の意見をくみ取って要約、考察するのが難しくて何度も読んだ」と振り返る。「相手を感じながら伝えること。言葉だけでなくあらゆる手段を全部使って自分で表現することが大切だと分かったので今後に活かしていきたい」と話した。「『意地悪』と聞くと悪いイメージだが良い『意地悪』もある。この本を読むといじめが減ると思うので高校生に読んでほしい」と話すのは「いとも優雅な意地悪の教本」(橋本治著・集英社新書)を紹介した林優希さん。林さんはこの授業で学んだことがきっかけで新たな将来の夢ができたと目を輝かせながら語った。

同書店によく訪れるという70歳代の男性(須磨区西落合)は「高校生らしい視点で捉えている。読んでみようと思った」と感心していた。

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