「春の野鳥観察」神戸総合運動公園〜落合中央公園
4月3日(土)、「春の野鳥観察」が神戸総合運動公園から落合中央公園で開催され、親子連れなど15人が参加した。 (主催/公益財団法人神戸市公園緑化協会神戸総合運動公園)
同公園では自然観察やものづくり講座、写真講座など公園の特性や資源を活用した参加型イベント「魅力あっぷセミナー」を毎年定期的に開催している。
この日の講師は日本野鳥の会・兵庫県支部の溝渕正昭さん、柿木冨士男さん、北原裕さんの3人。溝渕さんが「子育て中の鳥のさえずりや、きれいな声で鳴いている鳥などをゆっくりと楽しみましょう」とあいさつ。公園を出発し山の道を歩いていると初めに「ツチツチ」と鳴くシジュウカラと出会った。溝渕さんは「鳥を探す時木の上を見ますが、この季節は地面に落ちた木の実を食べることが多いので地面も見てみましょう」と提案。コゲラの「キー」という鳴き声を聞きながら満開に咲く桜の道を通り抜け、コスモスの丘からユニバー記念競技場の手前にさしかかった時、ウグイスが参加者の目の前で「ホーホケキョ」とさえずった。溝渕さんは「口笛の上手な人はいますか?すぐに反応しますよ」と参加者に投げかけ、体を震わせながら懸命にさえずるウグイスの姿に参加者たちは感動していた。
滝が谷公園ではコゲラの巣穴後に手を入れてみたり、ムクドリやカワラヒバ、メジロ、アトリ、シロハラなどを観察した。小枝をくちばしにくわえ飛んで行くシジュウカラの姿を目で追っていくと、一軒家の軒下に巣作りをしていた。名谷公園に向かう水路にはセキレイの姿があり、公園ではスズメに似たカワラヒバの姿を確認できた。カラスの巣も発見し、しばらく全員で観察した。最後に落合中央公園の大池に辿り着くと溝渕さんと北原さんが望遠鏡(スコープ)を設置し、アオサギやオオバン、オカヨシガモなどの水鳥を観察した。
この日はトータルで28種類の野鳥の声や姿を確認。鳥だけでなく植物にも精通する溝渕さんから、アカメガシワなど公園内に自生する植物の説明もあり参加者は熱心に聞き入っていた。孔さん兄弟は母親と参加。兄の櫟図さん(本山第二小2年)は溝渕さんから黄緑色のアオバトの羽根をもらい、弟の櫟夫さん(同1年)はドバトの羽根を見つけた。父親が野鳥好きで、これまでに家族で2~3回参加しているという田口優芽さん(神陵台小3年)は「きれいな声で鳴いているウグイスの喉の動きに感動した。他の鳥の姿も見られて楽しかった」と笑顔をみせた。
溝渕さんは「街中の公園でもたくさんの野鳥がいます。春、秋、冬と季節によって観察できる種類が変わるので、ぜひ足を運んで、鳥たちの自然な姿に親しんでもらえたら」と話した。