編集記事

その他の地域

「さくら サクラ 桜 未来へつなごう 笑顔満開 in 森林植物園」市立森林植物園

記事 「さくら サクラ 桜 未来へつなごう 笑顔満開 in 森林植物園」市立森林植物園のアイキャッチ画像

4月18日(日)、木のお医者さん「樹木医」の仕事を紹介する「さくら サクラ 桜 未来へつなごう 笑顔満開」のイベントが市立森林植物園で開催された。 (主催/NPO法人樹木研究会こうべ・共催/神戸市立森林植物園)

イベントではさくらを元気にする根の治療や木登りの実演、ガイドツアーや樹木医の活動紹介があり、同時に「木のお医者さんクイズラリー」が開かれ、親子連れなど約140人が参加。新緑の園内を巡りながら、6カ所に設置された樹木医からの難問を楽しんだ。

「樹木医」は街路樹など樹木の保全・診断・治療を行う資格。主催のNPO法人樹木研究会こうべ(会員36人)では所属する樹木医の技術向上を図るため、毎月勉強会を開き、コンサルタント業務や、研究調査を行っている。春と秋にはトヨタ環境活動助成プログラムより助成金を受け、さくらのアイチエイジングイベントを開催。ベテラン樹木医から若手樹木医へ「さくらの未来をつなぐ」技法を伝える大切な機会であり、樹木医の活動を通して、自然への理解を深めてもらおうと一般公開している。

福本市好さん

長谷川式土壌貫入計を説明する村尾満さん

エアースコップ実演 塩谷誠二さん

6回目となる今回はさくらを樹勢回復させるための断根処理と呼ばれる根の治療法を説明した。園内にある約100本のさくらの木から、弱った2本を選び、根を傷つけないよう専用のエアースコップを使い、空気圧によって土をほぐしながら約50㎝掘り上げた。傷ついた根や不要な根を切断、その切断面に殺菌剤を塗って保護し、赤玉土と鹿沼土、バーク堆肥を混ぜた土を根元に埋め込んた。この方法により新しく細かな根がたくさん出て栄養と水分を充分に取り込み、元気を取り戻すことができる。

樹木医の中島佳徳さん、福本市好さんは治療法を解説し、切断した木の根の年輪やどこから発根するかなどを説明。参加者は初めてみる木の根や処理方法に関心を寄せ、弱った木の見方などについて質問を投げかけていた。

受付のテント前では土を掘らずに硬度が測定できる「長谷川式土壌貫入計」など道具の説明が行われた。その後、樹木医であり、大木や高木の手入れや治療を専門とする「ア―ボリスト」の小林仁さんと宮脇隆朋さんがロープを使って木登りやレスキューの特殊な技術を披露、迫力ある実演に観客から拍手と歓声が湧いた。

小林仁さんと宮脇隆朋さん

右、泉寿樹さん

金井さん家族

箕谷市の造園会社に勤める泉寿樹さん(25歳)と小川健太さん(41歳)は仕事に役立てようと参加。独学で木登りもしているという泉さんは「なかなか見ることのできない貴重な機会で勉強になりました」と話し、小川さんは「想像以上の収穫でした。来てよかった」と笑顔で話した。  樹木研究会の村尾満さんは「さくらは手入れすれば100年生きることができます。この機会にぜひ木の生き方に関心をもっていただき秋の開催や、アジサイシーズンの樹木医ガイドにも、ぜひご参加ください」と呼びかけた。

カテゴリー