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西区

花みどり工房

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4月15日(木)、神戸市看護大学(西区学園西町)にあるビニールハウス前にボランティア約40人が集まり、青空の下、春の種まきが行われた。

都市の緑化や公園事業を行う公益財団法人・神戸市公園緑化協会「花と緑のまち推進センター」では、緑花リーダーを育成するためにさまざまなボランティア活動を支援している。地域の緑花活動を行う「緑花クラブKOBE」では、各地区の市民ボランティアが種をまき花苗を育てる「花みどり工房」として活躍。学園都市では苗を児童館や幼稚園に配り、神戸市と協力しながら花で彩られる街並みをつくる活動を10年以上続けている。

覆土の様子

橋爪忠司さん

年2回(春・秋)の種まきでは、スタッフは曜日ごとに班になり、発芽まで1日2回の水やりや雑草抜き、害虫駆除などの日々の世話を行う。神戸市から花の種、土が用意され、発芽率や発芽するまでの日数、覆土(種をまいた時に上にかける土)の量などが書かれた資料が配られる。スタッフは手際よくセルトレー(育苗パネル)に土を入れ、各自で用意した厚紙に種を出し、竹串を使って1粒を1つのセルに丁寧にまいていく。毎年植えているのは、マリーゴールド、ジニア、サルビア、千日紅、ダリア、ケイトウなど。毎年今まで植えたことのない種を各曜日1種類、計7種類を植えるチャレンジをしている。今年のチャレンジ用の種はエキナセアやフロックス、赤、ピンク、白ミックスで大輪の花を咲かせるニューギニアインパチェンスなど。

発芽率を考え、4670株を目標に1枚200粒を植えることができるセルトレーを全部で35枚、全部で7000粒の種をまく。種まきが終わると覆土し、底面給水。約1カ月後にポット上げ、6月中旬には苗になり、ボランティアの紹介などで公共施設に配られる。苗は秋に花を咲かせ美しい街づくりに役立っている。神戸市建設局、公園緑地係の担当者は、今後広報を通じて苗の申し込みをしようかと検討しているという。

底面給水の様子

参加者たちは、たまに吹く風に「種が飛んでしまいそう」と気を使い「いつも苗を買うので、種から育てるのは初めて」と話しながらも真剣に種をまく。この活動を通じて花を育てる技術も身に着けることができ、スタッフには余った苗が配られる。種まきがひと段落するとスポーツなど趣味の話に花を咲かせ「これが高齢者の楽しみです」と話すのは男性陣。その中には夫人がこの活動に参加していて、運転手として手伝っていたがいつのまにか自身も参加するようになったという男性も。スタッフになり約7年になる川嶋忍さんは「毎回、芽が出た時は『やった!』と思う。担当の曜日に班で協力して水やりをするが、他の曜日よりたくさん芽がでている班の団結力を感じる」と微笑む。花みどり工房のボランティア会長を務める橋爪忠司さんは「3年前に不幸があり落ち込んでいた時にこの活動を始めた。花は手入れをすると育ってくれる。それで街が明るくなるのがうれしいし、メンバーがとてもいい」と話した。

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