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「大学都市KOBE!発信プロジェクト」神戸常盤大学短期大学部口腔保健学科 八木孝和教授

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3月26日(金)、歯科医師であり、神戸常盤大学短期大学部口腔保健学科の八木孝和教授による特別講義「お口のはたらきを守るスペシャリスト:歯科衛生士の魅力を知ろう」がオンライン(YouTube)で配信された。

八木孝和教授

神戸市は市内に22大学、約7万人の学生を抱える全国有数の大学都市。大学のもつ魅力をより多くの人たちに感じてもらおうと、神戸市と7つの大学が連携し「大学都市KOBE!発信プロジェクト」を実施している。大阪梅田にあるグランフロント大阪ナレッジキャピタル(知的創造拠点)の「The Lab・みんなで世界一研究所」では、一年を通じ7大学が持ち回りで研究成果などの魅力ある展示を行っている。2月27日(土)~3月27日(土)にはナレッジキャピタルが実践的な学びを提供する「SpringX 超学校」と連携し、7大学がそれぞれ4日間にわたり個性豊かな人気講師による特別講義をオンライン配信した。

第3回目を担当した八木孝和教授は歯の矯正治療を専門とする歯科医師であり「お口の役割=食べること・話すこと」や「歯ならびや嚙み合わせ」について話を進めた。矯正して歯並びをきれいにすると、見た目ばかりでなくよく噛め、虫歯や歯周病を予防し発音がきれいになるなど、良いことばかり。歯が健康だと食事が楽しめるばかりでなく、よく噛むことで脳の機能が活性化し頭がよくなる。またメタボリックシンドロームやフレイル(衰え)の予防にもつながり美容に良いなど、「健康は健口に始まる」と提言した。

その健口を守る歯科衛生士は「豊かな暮らしを支えるスペシャリスト」とも呼ばれ、歯科医院ばかりでなく大学・総合病院、市町村保健センター、介護施設・福祉施設、訪問診療、歯科関連企業、海外へと活躍の場は拡がりをみせ、有効求人倍率は20倍を超えるなど、引く手あまたな状況にある。さらに2020年には歯科医師や歯科衛生士による歯科口腔保健の充実が国家戦略(骨太の方針)にも打ち出されるなど今後かかりつけ歯科衛生士の流れも予想され、ますます社会で必要とされる魅力的な職業だと伝えた。

歯科衛生士になるためには高校卒業後、専門学校や大学へ進学し、国家試験合格を目指す。八木教授が教鞭をとる口腔保健学科は「少人数型テーラーメイド教育」とよばれる丁寧な個別指導により、100%近い合格率を実現している。大学敷地内には口腔保健研究センターやときわ病院など独自の実習の場も用意されている。さらに2022年には4年制大学となり、児童期〜老年期にわたるすべてのライフステージに対応できる歯科衛生士(口腔予防のスペシャリスト)を養成することを目指していることなどを伝えた。(設置構想中)

YouTubeに寄せられた「歯科衛生士になるには高校生の間から気をつけておくことや身につけておくことはありますか?」の質問に対して、八木教授は「患者さんに寄り添うためのコミュニケーション能力や国語力、薬の名前や使用方法を理解するための読解力、計算力、何よりも自分自身の感性をしっかりと磨き、色んな経験をしておくとよいでしょう」と答えた。また「海外で活躍というのは、海外の病院に勤めることでしょうか?」の問いには「海外の歯科医院に勤めたり、いろいろな歯科医院と契約してフリーランスで活躍する人もいます」と話した。

最後に大学内や歯科診療所での実習の様子を紹介し、「大学にはさまざまな医療系の学部や教育系の学部がありますので、オープンキャンパスで体験してみてください。また、口の中をたくさん勉強していただく一つのきっかけになれば」と呼びかけ、講義を締めくくった。

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