編集記事

須磨区

「神戸オープンガーデン2021」水上桂子さん(須磨区多井畑)

記事 「神戸オープンガーデン2021」水上桂子さん(須磨区多井畑)のアイキャッチ画像

花と緑にあふれ、人と人とが生き生きと交流するステキなまち「神戸」を目指して、恒例の「神戸オープンガーデン2021」(主催/神戸オープンガーデン実行委員会)が開催されている。今年は新規に9庭の応募があり、神戸市内で59庭が参加。公開に先駆け、4月11日(日)、2004年より参加している須磨区多井畑の水上桂子さん(76歳)の公開庭を訪ねた。

水上桂子さん

 

水上さん宅の門をくぐると、オープンガーデン参加当初から大切に育てている月宮殿(クレマチス)の白い花が出迎える。5月には屋上のフランソワ・ジュランビル(バラ)が咲き誇る。1階ガレージを取り囲むように庭園が広がり小径を進むと多種多様な草花に出会える。葉物が好きだという水上さんはこの庭園を「癒しのリーフガーデン」と呼び、葉の小さいものや細いもの、グリーンや白、ゴールドなどさまざまな色合いの葉物を楽しんでいる。

月宮殿(クレマチス)

グリーンなどの装飾で彩られたガレージ内

看護師として(株)神戸製鋼所に勤務していた水上さんは、出張も多く忙しい日々の中で2度続けて骨折。初めてゆったりとした時間をもつことになった時「こういう時間の過ごし方も悪くないな」と定年まで勤める予定を57歳で退職し「これからは花と暮らそう」と決め、荒れていた庭にハーブを植え始めた。故郷の宍粟市一宮町で花好きの母親が育てていたキングローズを植えるなど庭造りに魅了されていった。また、ジャパンフローラ2000(淡路花博)で見たボトルフラワーに興味をもち、退職後すぐに福岡県久留米市まで月に4回通いライセンスを取得。庭に咲く花々をボトルフラワーにし、コロナ自粛中に始めたというフランス刺しゅうの花の作品とともに玄関や部屋を美しく彩っている。

左、水上桂子さんと杉下和子さん

2010年生涯学習の場「神戸シルバーカレッジ」に入学し、音楽文化専攻の授業の中で「単に花を育てる人は趣味。オープンガーデンをしている人はボランティア」という言葉に背中を押された。水上さんは「オープンガーデンをして幸せなことは、たくさんの人との出会いがあること。その出会いを大切にしています」と目を細める。この日も初めて参加した年に来訪し、それ以来つきあいを続けている杉下和子さん(須磨区竜が台)が手料理を持って訪れた。杉下さんは「私たちは同い年なんですよ。オープンガーデンがきっかけで出会えてうれしい!」と笑顔で話した。

2000年、花好き同士の交流の場として須磨で始まったオープンガーデンは2008年より神戸市が窓口となり市内全域に広がった。昨年はコロナ禍のため中止したが、14回目となる今年、草花の癒しやその魅力を共有するため、感染症拡大防止に留意しながら開催中。

 

カテゴリー