神戸のいいね!美味しいもの編 山菜
2021年4月28日号掲載
山野の恵み 山菜
こごみ(左上)、ふきのとう(真ん中)、タラの芽(右上)
栄養価が高くほのかな苦みが魅力
「春の皿には苦みを盛れ」
これは冬の間に体にたまった老廃物を、苦みがある食材を食べてデトックスするという教えで、春の山菜には苦みのあるものが多い。山菜の若芽が虫や鳥などの外敵から身を守るために、苦みやえぐみを備えていると言われ、この苦みの成分は、ポリフェノールや植物性アルカロイドによるもの。ポリフェノールには、抗酸化作用や新陳代謝を促す作用があり、植物性アルカロイドは、腎臓や肝臓の機能を高め、老廃物を排出する。これらの働きによって、身体がリフレッシュするというわけだ。たらの芽の苦み成分エラトサイトは、血糖値の上昇を抑制、よもぎには抗酸化作用のあるクロロゲン酸、ふきのとうには抗アレルギー作用のあるフ キノール酸や、免疫力を高める効果のケンフェロールといったポリフェノールが含まれている。
〈上〉芽吹いたわらび
〈下〉カタクリの花
また、山菜はとても栄養価が高く、たらの芽、こごみ、よもぎなどは緑黄色野菜に分類される。
代表的な山菜の主な栄養素として
〈たらの芽〉…βカロテン、ビオチン、食物繊維
〈ふきのとう〉…ビタミンE、カリウム、食物繊維
〈こごみ〉…βカロテン、ビタミンK、食物繊維
〈ぜんまい〉…βカロテン、葉酸、食物繊維
〈わらび〉…ビタミンB2、ビタミンE、食物繊維
〈よもぎ〉…クロロフィル(葉緑素)、βカロテン、ビタミンK、食物繊維
ぜんまい、わらびなどのアクが強いものは、しっかりとしたアク抜きと、食べ過ぎに注意を。
《山菜レシピ》
こごみのトンナートソースあえ
〈材 料〉4人分
こごみ…80~90g
ツナ缶(水煮)…1個
マヨネーズ…大さじ2
生クリーム…大さじ1
塩コショウ…少々
〈作り方〉
❶こごみは茎の固い部分を取り除く。 たっぷりの湯で茹でた後、冷水にさらし、 水気をきる。
❷ツナは水気をきり、裏ごしをする。
❸②とマヨネーズ、生クリームを混ぜ合わせ、 塩コショウで味を調える。
❹①にあえて出来上がり。
〈参考文献〉 「からだにやさしい 旬の食材 野菜の本」講談社 2013年