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シニアのための「おしゃれ講座」

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3月16日(火)喜楽館(兵庫区新開地)で、シニアのための「おしゃれ講座」が開かれた。
兵庫区では、シニアのおしゃれで元気な暮らしを応援するため「兵庫モダンシニアファッションショー」を毎年開催していたが、令和2年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となった。そこで、コロナ禍で在宅時間が多くなった高齢者を対象に、元気でいきいきとした暮らしの推進を図るため「おしゃれ講座」を企画。2階席も使用してソーシャルディスタンスをとり、席数の半分以下の定員で開催された。

「おしゃれは心と身体のビタミン剤」のテーマで講演を行なったのは、神戸芸術工科大学教授で芸術工学博士である見寺貞子さん。「ユニバーサルファッション〜だれもが楽しめる装いのデザイン提案」という著書がある見寺さんは「シニアを元気にするヒントはユニバーサルファッションにあります。おしゃれな衣生活は、楽しく、快適で、明るく元気な心をつくります」と話した。姿勢、歩き方、しぐさ、スタイル、服装のセンスなどがおしゃれだと感じる要素。その人のイメージを表す最も大きな要素は 「色」なので、首に明るい色のスカーフをするなど、アクセントカラーをコーディネートに取り入れるアドバイスがあった。


見寺貞子さん

ヘアメイクアップアーティストである竹部未起さんの講演テーマは「メイクで伸ばそう!健康寿命!」。竹部さんは兵庫区のシニアファッションショーにメイク担当として関わってきた。「メイクアップまでしなくても、毎日のスキンケアだけでも唾液腺を刺激するので、唾液の分泌量が増え普段使わない顔の筋肉にも刺激を与えて、脳と身体に効果がある」と話した。また、92歳の祖母は一緒に写真を撮ろうと声をかけると、必ず眉を描いてリップも塗る。祖母はメイクをするメリットを受けていると思うと話した。


竹部未起さん

理学療法士である石間伏勝博さんの講演テーマは「いつまでも活動できる身体つくりのすすめ」。コロナの影響で、ひきこもる人が増えてしまったことを危惧している。石間伏さんはウォーキング用の杖を開発および特許取得、杖はグッドデザイン賞を受賞。その後考案したさらに安価で手に入る杖を使って、椅子に座ったままできる体操を披露した。


石間伏勝博さん

HP制作・Webマーケティング業の川澤始さんの講演テーマは「ネット社会と共存するヒント」。自身の母親との会話を例に挙げながら、わかりやすくネットとの関わり方を話した。もともと自身もネットが苦手だったが、時代には逆らえないので共存しようとしたところ、ネット詐欺に合いかけた。相手が携帯の電話番号から住所を特定することは、不可能なので安心してほしい。パスワードの作り方で「一番初めの文字だけを変更して、あとは、全部同じでも大丈夫」というアドバイスも。70代の父親にiPadをプレゼントしたらはじめは難色を示したのに、79歳からインスタグラムを始めて、今では面白いし頭の刺激になるととても喜んでいるとのこと。ネットと仲良くなって、自分らしく前向きな生き方をしてみませんかと話した。


川澤始さん

新聞の催し物欄で知り参加したという女性(69歳・兵庫区在住)は、「以前骨折したときには閉じこもってしまったけれど、今は毎朝近所のラジオ体操に参加して、皆さんとの会話も楽しみになっている。ネットにも挑戦しようかな」と話した。おしゃれに着こなした75歳の長田区在住の男性は「ファッションショーに2回出たんですよ。今日も何を着ようかなと考えました。ほんとにおしゃれは心のビタミン剤やと思います」と話した。
参加者に配られたバッグには、交通事故を軽減するための歩行者を守る反射材が塗られており、兵庫区役所総務部まちづくり課の正木潤さんは、「夜道を歩く時には、必ず身に着けてくださいね」と呼びかけた。

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