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須磨区

「すまコミュニティビジネス大学企画発表会」 須磨区役所 多目的会議室

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3月10日(水)、須磨区役所 多目的会議室で、須磨区社会福祉協議会の主催による「すまコミュニティビジネス大学企画発表会」が開催された。

畠健太郎さん

須磨区では、地域の課題をビジネスの手法で解決する事業「すまコミュニティビジネス大学」を企画。社会貢献、起業などに関心のある人を対象として、講座や企画ワーク形式で年間全10回にわたる講座を実施。地域活動や事業計画のアイディアが学べる。今回は2020年度の受講生14人が考案したビジネス企画の発表会で、テーマは〝自分の「できる」を社会で活かそう!〟。

受講生はWithコロナ時代の地域課題を考え、解決のために必要な事業やアイデアを創出し、実現に向けてそれぞれが試行錯誤してきた。講師の畠健太郎さんは、地域のNPO団体や障がい者の自立をサポートする事業所、プリズムデザインラボの代表。「発表の際は『できてないんですけど』はNGワードです。『ここまで出来ました』を話しましょう」と、プレゼンのアドバイスをし「受講生の皆さんは〝最初はビジネスになるとは思っていなかった〟というところから始め、それぞれの〝できること〟を見つけました。そんな熱い思いをお聞きください」とあいさつ。

「歌声再び!ハミング合唱団」を発表したのは、沼田直子さん。認知症の高齢者は歌詞を忘れてもメロディは忘れないとのことから、ハミングはコロナ禍でもできて健康にも良い効果をもたらすので、推奨しようと考えたという。会場ではピアノ伴奏に合わせて全員で「花」をハミングした。「おはなしおばさん」を発表したのは、千種ひろ子さん。須磨区の公園に人が少なくて残念だと感じたことで絵本の読み聞かせができたらと考えたが、コロナ禍の影響でオンラインに挑戦。「はらぺこあおむし」の読み聞かせ動画を制作したものの、やはり人に会って活動をしたい、との自分の思いに気付き「活動の場をお声かけください」と呼びかけた。

コンポストで出来た堆肥を手にする福岡千鶴さん

「ベランダでコンポスト」を発表したのは、福岡千鶴さん。除菌の意識が進むコロナ禍で、微生物に対する意識が低くなったのでは?と危惧しコンポストに着目した。コンポストとは家庭からでる生ごみや落ち葉、下水汚泥などの有機物を、微生物の働きを活用して発酵・分解させ堆肥をつくる容器。コンポスト友の会を作って仲間を増やし、できた堆肥をベランダ菜園に利用したり市民農園へ寄付することでゴミを減らし、野菜が育つコミュニティを作りたいと話した。「緑とともにいつまでも元気で自宅で暮らす」を発表したのは、社会福祉士と園芸療法士の資格を持つ中田知富美さん。いままで園芸を楽しんでいた人も高齢になると体力低下で庭仕事は難しくなる。介護が必要になると本人はもちろん家族にも園芸の余裕はなくなる。誰もが自宅で笑顔で生活して行けるように、中田さんは資格を生かし「訪問ソーシャルガーデナー」として活動しようと考えた。

コラボ企画の池戸規子さんと、川口曜子さん

14人の中で、コラボ企画を考えたのは池戸規子さんと、川口曜子さん。ニュースで須磨区が将来的に限界集落になる可能性があると聞いてショックを受けた池戸さんは、長い期間で地域を見たら解決策は人を育てること、と考え〝のんきな子育てひと育て〟をテーマにした「コソダテ・ラボ」を立ち上げた。池戸さんは皮膚から伝わる優しい感触や心地良いと感じるタッチをすることで人を癒す「タッチケアセラピー」を用いて、子どもや母親が見せるリラックスした優しい表情の瞬間をカメラマンである川口さんが写真におさめるという企画。4月には、同大学の過去の卒業生が立ち上げた「すまっこ寺子屋」でワークショップを予定している。池戸さんと川口さんは「二人でやることは、足し算ではなく、掛け算だと実感した」と話した。  講師の畠さんは「自分がその取り組みを好きであること、そして関わる人が一緒に楽しめることが事業継続に大切なことです。自分の『好き』や『できる』で地域貢献を始めた受講生を、地域のみなさん、どうぞ応援してください」と呼びかけた。

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