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オンライン日本舞踊教室 神戸学院大学ポートアイランドキャンパス(中央区港島)

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遠隔会議ツール「Zoom (ズーム)」を利用して、1月28日(木)、神戸学院大学ポートアイランドキャンパス(中央区港島)で台湾の長栄大学の学生16人を対象に、日本舞踊の家元やロシア人などの門下生によるによるオンラインの日本舞踊教室が行われた。 (主催/神戸学院大学国際交流センター)

新型コロナウイルス感染拡大により留学を希望する海外の学生が来日できない状況が続いている。それを受け同大学国際交流センターではWith Worldプロジェクトと題して世界中の大学にオンラインプログラムを提供。その1つとして、台湾にある交流協定校、長栄大学を対象に日本文化を体験してもらおうと、1月25日(月)から30日(土)まで「日本語・日本文化オンラインプログラム」を開催した。講師には姫路を中心に活動する日本舞踊桃宗流家元の桃宗蓮和さん(名取名)を迎え、オンラインによる日本舞踊の講習会を行った。

蓮和さんは「日本舞踊は日本を代表する伝統芸能です。今日は少しでも日本の伝統文化にふれていただければうれしく思います」とあいさつ。約四百年前に始まったとされる日本舞踊の歴史にふれた後、観劇の際に見方が変わればと幕や花道など「舞台用語」についての解説を画面に映し出しながら40分間レクチャーした。舞台では右左とはいわず「かみて・しもて」ということや、舞台上で演技者を補助する後見(こうけん)さん、黒衣(くろご)さんは透明人間という約束事があること、舞台を支える上で一番大切とも言われる狂言方の役割などを丁寧に伝えた。最後に「三味線音楽で踊るのが日本舞踊」と説明。「義太夫」「常磐津」など三味線は大きく4つに分かれ、竿の太さの違いやバチを叩いて音を出すことなど詳しく解説した。また、日本文化として雛人形を紹介した。「日本には女の子が生まれたとき、成長を願って祝うとても楽しいひな祭りがあります。今日は『うれしいひなまつり』の音楽で踊りましょう」と蓮和さんが呼びかけた。

日本舞踊の講習会では踊りの様子をそのまま映すと学生たちには反対の画像が届くため、鏡に映った姿を撮影する工夫をして臨んだ。門下生のロシア人ギリムトディーノワ・タンジリャーさん(神戸市職員・同大学ロシア語非常勤講師)、名取の桃宗豊花さん、桃宗秀和さん(それぞれ名取名)が、扇子を自身の前に置き「お願いします」と座礼してあいさつ。扇子を帯にしまう方法や踊り始めのポーズを示した後、うれしいひなまつりの曲に合わせて、三人が手本を披露した。

左からギリムトディーノワ・タンジリャーさん、
桃宗豊花さん、桃宗蓮和さん、桃宗秀和さん

主催の岡部芳彦教授

鏡の前の豊花さんと秀和さんの所作を画面越しの学生たちが真似るスタイルで講習が始まった。蓮和さんはひなまつりの歌を歌いながら足に始まり、手、首の基本所作を指導。「右左、右左。首傾げる、伏せてバンザイ」などの声掛けをし、パソコンに映った学生たちの動きを確認し「出来てる出来てる!みんなすごい!」と励ましながら進め、講習は約1時間に及んだ。

最後に秀和さんが「オンラインでの文化交流は初めてでしたが、皆さんうまく踊れてました。日本に来られることがあったらぜひ会いに来て日本舞踊を体験してください」と笑顔で呼びかけると、学生たちから日本語で「ありがとうございました」とあいさつがあった。長栄大学の、応用日本語学科4年の黄政豪さん(22歳)は「踊りが苦手で心配だったが、意外とうまく踊れた。とても楽しかった」と話した。

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