フードドライブ こうべ環境未来館(西区見津が丘)
「フードドライブ」〝もったいない〟を〝ありがとう〟に変えるチャンス!!(写真は上利哲裕さん)
市民の環境学習施設「こうべ環境未来館」は隣接する神戸市資源リサイクルセンターの付属施設。施設内にはリサイクルやごみの減量・自然共生・エネルギー(スマート水素ステーション・燃料電池自動車)について学べる展示や、環境図書コーナー、多くの生きものが棲むビオトープ池があり、リサイクルセンターの見学もできる。市内の小学生が校外学習として見学に訪れることも多い。
神戸市から管理・運営を任され、同館でボランティアとして活動している上利哲裕さんは「フードドライブ」のことについて説明した。フードドライブとは家庭で余っている食品を持ち寄り、必要としている福祉団体や施設に寄付する活動のこと。上利さんは高齢者の生涯学習機関、神戸市シルバーカレッジの21期生として生活環境コースで環境問題を学び、食品ロスに関する活動に興味を持ったという。
日本全国での食品ロスは年間約630万トン。そのうち「食べられるが規格外」という理由で事業系から廃棄される食品は55%。残りの45%は家庭で捨てられている。その中には手つかずのままのものが22%も含まれており、しかもそのうちの4分の1は賞味期限以内のもの。同館をはじめ指定店舗に持ち込まれたこの「もったいない」食品を回収し、支援を必要とするところ(子ども食堂や福祉施設など)に届ける活動を行っているのが認定NPO法人フードバンク関西でその連携活動が「フードドライブ」。持ち寄られる食品は米やスープ、乾麺など日持ちのするものが多い。支援先はひとり親世帯やコロナ禍で突然解雇された家族などさまざま。「素早い援助に大変感謝しています」「誰かが心に留めていてくださるという気持ちに支えられます」など喜びの声が届いている。
上利さんは5年前からフードドライブを広める活動に尽力しており同館でのイベントの際には、のぼりやチラシを制作し食品の回収を呼びかける。「お米が一番重宝されるようです。カレールーや缶詰など、ぜひお持ちください」と話した。
また、同リサイクルセンターの高井俊夫さんがゴミ出しの際の注意を呼びかけた。神戸市内の家庭から出た資源ごみ(缶・ビン・ペットボトル)がセンターへ集積されるが、巨大なクレーンですくい上げたあと、人の手で余分なものを取り除く作業が続く。特に多いのは、指定袋以外のビニール袋。機械では取り除けないため人の手が必要だそう。高井さんは「指定袋に、直接缶・ビン・ペットボトルを入れてもらえたらありがたい」と話した。
〈認定NPO法人 フードバンク関西〉
企業などから寄贈された食品を、支援を必要とする人たちを支える福祉施設や団体に無償で分配する事業を行う。
※食品回収 〈こうべ環境未来館〉西区見津が丘1・9 1階事務所
受付/毎月1日〜10日 時間/午前9時〜午後5時(水曜日は閉館)
TEL/(995)3196
※イオンフードスタイル板宿店・神戸学園店、ダイエー名谷店の各サービスカウンター
※コープこうべ(近隣店舗はコープ須磨)