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防災女子 オンラインワークショップ 神戸学院大学(中央区港島)

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神戸市は阪神・淡路大震災から26年目の1月17日(日)、震災から学んだ多くの教訓を次世代に引き継ぎ新たな災害に備えるため、防災知識を深める「神戸防災のつどい2021」を開催、複数の会場でイベントがあった。神戸学院大学からは現代社会学部社会防災学科の学生がオンライン会場(Zoom)から「防災女子オンラインワークショップ」を開き学生スタッフ〝防災女子〟5人と一般参加者17人がオンラインで繋がった。(写真/非常時に簡単に作れるレシピが掲載された災害食BOOK)

防災女子は2014年6月に「女子力で災害を乗り切っていこう!」というコンセプトのもとに結成。固いイメージの防災を、女性から家庭、地域社会へ「やってみたくなる防災」を発信する。昨年1月には大丸神戸店で「防災食」の実演、試食を行うなど、地域のイベントや講習会で積極的に啓発を行っている。

災害時のローリングストックの基礎知識、
非常時に簡単に作れるレシピが掲載された災害食BOOK

空き缶コンロ

空き缶コンロの灯芯

今回は空き缶を使った簡易コンロの作り方、災害発生時の食事「災害食」のレシピ、食品のストック方法などを紹介する。初めてのオンライン開催のため、事前に参加者を募集し申込者には当日行うワークショップの資料をキットにして手元に届けておいた。キットの内容は〝空き缶コンロ〟の作成に必要なアルミホイルとティッシュペーパーで作られた灯芯や小冊子「災害食BOOK」など。

森本澪さん

佐藤菜都さん

当日、参加者は届いたキットとコンロ用のアルミ缶4本を用意しワークショップが始まるのを待つ。ネットで繋がると、「防災女子」代表、森本澪さん(4年)のあいさつの後、簡易コンロ作成に。佐藤菜都さん(3年)が空き缶の切り方や、ティッシュペーパーの灯芯の作り方を丁寧に説明。画面で参加者の進み具合をみながら進める。切った空き缶は灯芯の芯たて、コンロの五徳や調理に使う計量カップとなる。出来上がった空き缶コンロの収納方法や使い方も解説し、簡単に身近な材料で非常時に備える方法を伝えた。  避難所での食事は炭水化物、塩分が多いため栄養バランスが崩れる。いつもの食事を食べて安心し、ストレスを減らすことが大切。そのため無駄のない食品の備蓄方法「ローリングストック」方式や備蓄食材を紹介した。特に麺つゆは万能調味料となるという。高密度のポリエチレン製ポリ袋でおいしく米を炊く方法も提案。また参加者らは冷蔵庫にあるものを使ったメニューを考え、発表し合った。

参加者からは「空き缶コンロのキットが自宅に届き、いろいろな工夫がされていて素晴らしい」との感想もあった。森本さんたちは最後に「大震災を忘れないために、これからも防災啓発に取り組みたい。皆さんもできることから始めてみませんか」と締めくくった。

はじめての画面越しでのイベントだったが、オンラインで手元を相手にしっかり見せるためにどうすればよいかを学生同士でアドバイスを出し合い工夫したという。「オンラインは、忙しくても気軽に防災を学べるという点でメリットになる」と濱本尚実さん(3年)。佐藤さんは「どんな場所からでもみんなと時間を共有し繋がれることがうれしかった。オンラインの可能性も見えてきたので、伝え方を検討して今後の活躍に生かしたい」と話した。

※ワークショップの様子は神戸学院大学のHPにも掲載中。

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