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垂水区

垂水のいいね!学校編 学校ボランティア

2020年12月23日号掲載

子どもたちの豊かな学校生活をサポートする学校ボランティア

3日目の講演後、参加者からの質疑応答(垂水区役所1F 大会議室)

 神戸市立小・中学校、特別支援学校には、子どもたちの見守りや学習補助などのサポートをする「学校ボランティア」として活動している人たちがいる。  垂水区ボランティアセンターでは、学校や子どもたちを支えるボランティア活動に関心のある人に向けた「学校ボランティア養成講座」を3日間開講。最終日の講座を取材した。

「学校ボランティア養成講座」は例年3日間にわたって開催されており、今年は11月5日、19日、26日に開講された。

1日目はmottoひょうご事務局長の栗木剛氏による「学校でのボランティアについて」と題した講演と、垂水区ボランティアセンターより活動紹介が行われた。養護学校などでの勤務経験がある栗木氏は、自身の経験を踏まえ特別支援学級の子どもたちにとって学校の先生や保護者以外の大人(学校ボランティア)と関わる時間が大切で、結果的にそれが子どもの成長につながると語った。

2日目は、通常であれば区内小学校の特別支援学級でのサポート体験実習が行われるが、今年はコロナウイルス感染症拡大により中止。スライドによる学校や特別支援学級の紹介を行うとともに、実際に学校ボランティアとして活動している人から学校の様子や学校ボランティア活動への思いを聞き、受講者からも多くの質問が寄せられた。

最終日の3日目は、神戸市教育人材センター専門相談員小川信子氏が、「こまり感を持っている子どもたちへのサポートについて~困っている子どもを笑顔に~」と題し講演。

これまで神戸市内の小学校で校長を歴任してきた小川氏は、講演の中で「子どもたちの行動を目の当たりにした時、プラスの見方をする人もいればマイナスに感じる人もいる。たとえば負けず嫌いですぐに『イーッ』と感情的になる子は、物事に真剣に取り組んでいるから、負けたと思った時に悔しくて感情的になってしまう。落ち着きがない子は、動くのが好きで活発な子という見方もできる」など、ボランティア活動を希望する人たちと共有したい子どもたちへの目線やかかわり方をわかりやすい例を挙げて紹介。「子どもたちの行動には理由があり、できないことではなくできていることを発見して温かくかかわる。発達障がいなどで困り感を持っている子どもは、『なぜ言われたことができないのか?』と叱る対象ではなく、周りが親切にする対象。大変に感じる子は、それだけ大きく変わる要素を持った子どもたちです」と語っていたのが印象深く、「子どもたちを受け止め、粘り強く信頼関係を築いてほしい」など、家庭での子どもとのかかわりにも通じるアドバイスも数多く含まれていた。

講演終了後には、今後の活動に向けた質疑応答や登録などの手続きが行われ、参加者からは具体的なサポート活動についての質問も寄せられていた。 定員20名のところ50名以上の申し込みがあり、当初の倍の40名が今回の講座に参加。中には教員OBなど教育の現場を知る人もいるが、ボランティア登録する上で必要な資格はない。求められるのは、学校現場でボランティアとして活動する際に、教職員と円滑なコミュニケーションが取れること。「教えるのではなく、子どもとともに歩もうという姿勢で頑張りましょう」と講演にあった通り、ボランティア活動は大人にとっても学ぶことの多い場といえそうだ。

ボランティアの登録は随時行われており、関心のある人は垂水区ボランティアセンターか神戸市教育人材センターへ問い合わせを。
垂水区ボランティアセンター  TEL.709‒1333
神戸市教育人材センター   TEL.984‒0741

 

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