編集記事

その他の地域

こども将棋まつり

記事 こども将棋まつりのアイキャッチ画像

11月29日(日)神戸ハーバーランドスペースシアター(中央区東川崎町)で「こども将棋まつり」が催された。 (主催/神戸ハーバーランド株式会社)

このイベントは伝統文化としての将棋の普及や子どもたちの交流を図るために開催され、今年で13回目を迎える。中学生以下を対象に勝負にこだわる大会ではなく将棋と触れ合い、楽しく将棋を指すことを目的に実施している。

例年は子ども同士で自由対局をしていたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のためプロ棋士との指導対局が行われ、井上慶太九段や村田智弘七段らが務めた。参加者はマスク着用で検温、消毒を徹底し、将棋の駒も対局ごとに消毒を行い対策を万全にして開催された。

指導対局は一度に複数人を相手する「多面指し」で行われ、プロ棋士がコの字形に並べられた机の中を回って駒を進めていく。子どもたちが良い手を打てるように誘導したり助言するなどプロの技を伝授した。4歳から中学生まで事前申込の約70人が参加し、真剣な眼差しで盤面と向き合っていた。半年前から将棋を始め熱中しているという島湊人くん(六甲アイランド幼・年長)は「好きな駒は龍(飛車の裏)。いっぱい教えてもらったよ」とにっこり。

ステージでは井上慶太九段による将棋教室「数の攻めを覚えよう!おすすめ戦法」が開かれた。会場の巨大スクリーンにも映し出され、前のめりで聞き入る子どもたち。駒を進めながら有効な戦法について解説を交えながら説明。「次の一手が分かる人?」の問いかけに多くの手が挙がり「みんなよく知っているね」と井上九段も感心していた。「勝つためには戦法のバリエーションを広げ、その中で得意戦法を1つ持つといいよ」とアドバイスを送った。

続いて井上九段と室田伊緒女流二段による「プロを目指した理由・周りの応援」と題した講演が開かれた。互いに将棋を始めたきっかけやプロを目指した学生時代、家族について語り合った。また「ひふみん」の愛称で知られる加藤一二三九段との対局の思い出や藤井聡太二冠と同郷の室田女流二段から幼少時代の逸話など将棋ファンならずとも興味深い話で盛り上がった。最後に井上九段は「親は口出しせずに勝ったら一緒に喜び、負けたら声を掛ける。遠くから見守る方が子どもは伸びますよ」と自身の経験から語った。主催者の半田真澄さんは「子どもたちが将棋を通して交友関係を広げ、考える力を育んでもらえたら」と話した。


 

カテゴリー