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消費生活講座「災害時に備えて食品の家庭備蓄を始めよう」

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消費生活講座「災害時に備えて食品の家庭備蓄を始めよう」が9月25日(金)に神戸市立婦人会館(中央区橘通)にて開催された。(主催/神戸市)

毎月さまざまなテーマで開催している「消費生活講座」。通常は100人の定員のところ、新型コロナ感染対策で50人の募集となった。

加藤茂雄さん

大きな災害の発生後、スーパーマーケットやコンビニの店頭では食品が手に入りにくく、電気・水道・ガスなどのライフラインが停止すると日常生活とはかけ離れた環境での生活を余儀なくされる。国や自治体からの支援物資はすぐに届くことは難しく、地域によっては時間がかかるケースもある。

講座では万一の災害にも困らないよう家庭備蓄のポイントやコツを解説。近畿農政局の加藤茂雄さんは「近年、災害が頻発しているので安心して暮らすためには、日常の一部として普段から無理なく楽しみながら〝備蓄〟をとり入れていくことが大切」と話す。西日本を中心に北海道や中部地方を含む全国的に広い範囲で発生した平成30年7月豪雨では、食品売り場などの陳列状況(農林水産省調べ)では災害発生後4日でミネラルウォーターやレトルトパックご飯などが欠品し、カップ麺や缶詰なども品薄状態に。

水道やガスなどライフラインが停止すると復旧するのにはおよそ7日以上かかるため、最低3日分~1週間×人数分の食品の家庭備蓄が望ましい。しかし実際に家庭備蓄をしていると回答した割合は45・7%(平成29年内閣府による世論調査より)。家庭備蓄のおすすめは、普段の食品を少し多めに買い置きし、賞味期限を考えて古いものから消費し消費した分を買い足し常に一定量の食品を家庭で備蓄するという「ローリングストック」という方法。非常食は、防災訓練の際などに実際に食べてみることを勧めた。実際に経験してみることでさまざまな〝気付き〟があるという。例えば高齢者がいる場合、食べ慣れた食品がいい。歯が弱い人むけには、ユニバーサルデザインフードのマークがついたレトルトの介護食品などがドラッグストアで販売されている。農林水産省のホームページでも要配慮者、アレルギーの人のための災害時に備えた「食品ストックガイド」などがあるので参考にしてほしいと話す。災害直後は炭水化物ばかりになりがちなので、タンパク質をとるための缶詰や梅干し、漬物など野菜類でビタミン・ミネラル・食物繊維の供給源になる副菜を常備してほしいという。

加藤さんはローリングストックの置き場や整理の方法についても説明し「ぜひ周りの友達にも家庭備蓄の大切さや方法について呼び掛けて」と話した。司会、進行を務めた消費生活センター土井池砂絵子さんは「家に帰って、さっそく食品ストックの確認をして買い足したいですね」と締めくくった。

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