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「FARMERS MARKET OCEAN FRONT(ファーマーズマーケット オーシャンフロント)」

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「FARMERS MARKET OCEAN FRONT(ファーマーズマーケット オーシャンフロント)」が開催された。漁船を間近に見ながら若手漁師たちによるトークイベントや、神戸の漁港で獲れた新鮮な魚を使った料理や水産加工品、農産品を販売。雨の中多くの来場客でにぎわった。

主催/神戸市、食都神戸運営共同事業体、(一社)神戸ファーマーズマーケット


神戸市では「生産者と消費者を継続的につなぐ」ことをコンセプトに、毎週土曜日に東遊園地(中央区加納町)で農家主体のファーマーズマーケットを開催し、神戸の地産地消を身近に感じる機会を提供している。今年7月から9月の毎週水曜日は夜バージョンとしてポートタワーでの夕涼み「ウエンズデー・ナイト・マーケット」を開催。イベントで生まれた港との縁からスタッフが漁業を含めた地産地消の可能性を感じ、農家と漁師が向かい合ってともに何かできないかと初めて同企画が生まれた。

中突堤には「東須磨の漁船だまり」のメンバーによるしらすやいかなご漁の船曳網漁船「宝海丸」や、たこ漁の刺網漁船「斗輝」など6隻の漁船が並び、カラフルな大漁旗が会場を盛り上げた。神戸市漁業協同組合による揚げたてのハモとタコの唐揚げは大人気で、訪れた人たちがおいしそうにほおばっていた。また、神戸ちりめんや須磨海苔、新鮮野菜や手作り豆腐などが販売され、家族連れの常連客や観光客が買い求めていた。

左から、福田昌宏さん、黒江健造さん

左から、藤岡琢二さん、山田将壱さん

左から、松下麻理さん、福田弘之さん

20代から30代の若手漁師によるトークショーでは、神戸ファーマーズマーケットの松下麻理さんが司会進行役。漁船の説明や、漁師の日常生活、お勧めの魚など盛りだくさんの話があった。神戸は海苔の生産が全国第2位で冬には須磨海岸から海苔を刈り取る様子が見られることや、同じ漁場で獲れた魚でも水揚げされた場所の違いで「淡路産」や「明石産」になる。

神戸市水産研究会会長の福田弘之さん(33歳)は「神戸の魚はまだまだ知られていない。神戸産を見つけたら購入し、おいしさを感じてもらいたい」と呼びかけ、ひき縄漁法で勝負する福田昌宏さん(31歳)は「自分の釣る魚に自信はあるがアピールできる場所がない。一般の人が買える施設が欲しい」と想いを伝えた。

藤本ファーム

この日の朝刊で開催を知って訪れたという中央区中山手通の吉川隆司さん(45歳)は「普段聞くことのない漁師さんの話が聞けて興味深かった。神戸の魚をもっと味わってみたいですね」と笑顔で話した。食いしん坊で人が好きという神戸ファーマーズマーケット理事の小泉亜由美さんは「海と山が近い神戸には本質的な食がある。神戸の食を通して〝一度は行ってみたい街〟から〝暮らしたくなる街〟を目指しています。若い漁師さんたちの想いを一緒に発信していきたい」と熱く語った。

 

〈神戸の漁業〉  神戸市には垂水、塩屋、舞子の3つの漁港に、須磨浦、東須磨、長田、兵庫の4カ所の漁船だまりという7つの漁業拠点があり、約220人の漁業者が漁船漁業や海苔養殖、観光漁業などの漁業を活発に営んでいる。これからの冬の季節は「ヒラメやチヌ」、春には「タコやイカ、スズキ、カレイ」がおいしく、春を告げる風物詩「いかなご」に、地域ブランドの「須磨のり」、明石海峡の強い潮流で育つ「ちりめん」など、豊かな漁業と良質の水産物が神戸の地場産業として有名!

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