名曲歌唱による健康法(コミスタこうべ)
8月26日(水)神戸市生涯学習支援センター「コミスタこうべ」(中央区吾妻通)で「名曲歌唱による健康法」が開かれ、15人が参加した。
市民の生涯学習に係る活動をバックアップする交流と学びの場であるコミスタこうべでは、料理や健康、芸術、子育て等をテーマに数多くの講座や講演会を開催している。また、市民が地域で活動する意欲に応えた生涯学習市民講師登録制度(KOBEまなびすとネット)がある。現在約500人が登録し、派遣先で市民講師として活躍している。
当日の市民講師は藤浦佐知子さんと濱嵜繁一さんが務めた。この教室は昨年8月に第1回目が催され、今年3月に2回目が予定されていたが新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴い中止。1年ぶりの開催となった。入室前の体温チェックや消毒に加え、30分おきに休憩を挟み、空気の入れ替えを行い会場の座席の間隔も確保されていた。
「日々、どんな呼吸をしていますか」と問いかける藤浦さん。鼻呼吸をすることで声の出しやすい状態になるので呼吸を意識しながら両手を上げたり腕を回す運動から始まった。途中、「息が止まらないように!」「肩甲骨のまわりを動かして!」とアドバイスがあった。続いて、頭で考えながらの体操。「むすんでひらいて」の歌詞の中で「て」と「で」だけ手をたたいたり、「静かな湖畔」では手をグー・チョキ・パーと動かしながら濱嵜さんのピアノ伴奏に合わせて楽しく歌った。
次は発音による運動の「パタカラ体操」。「パ」「タ」「カ」「ラ」と発音することで口や舌、喉の筋肉を鍛えることができ、咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)の機能回復に効果的だという。発音のポイント解説を聞きながら全員で発声練習をした。すでに実践している参加者も多く、誤嚥性肺炎を防ぐために毎日続けていると話していた。
呼吸法や身体の使い方を学んだ後は名曲の数々で実戦練習。「星の界(よ)」はハミングで歌い、「知床旅情」では全員が指揮者となり三角形( 4分の3拍子)を描くように手を振りながら歌った。「手を動かしながら歌う方が歌いやすい」と好評だった。「砂山」では濱嵜さんが波の音を出す手作りの楽器で情景を演出。伸び伸びと気持ちよさそうに熱唱し、最後に「浜辺の歌」を大合唱して終了となった。
昨年も参加したという太田邦子さん(中央区)は「歌うのが苦手だけど声の出し方を教えてもらって歌いやすかった。楽しかったです」と話した。ほかにも「みんなで歌うと楽しい」「ストレス発散になった」と参加者たちは満足した様子で会場を後にした。
藤浦佐知子さん
濱嵜繁一さん