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心かよわす市民のつどい 神戸文化ホール(中央区楠町)

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8月12日(水)神戸文化ホール(中央区楠町)で「心かよわす市民のつどい」が開かれ、141人が参加した。 (主催/神戸市、神戸市教育委員会)

オスマン・サンコンさん

神戸市では家庭や学校、地域、職場など身近なところで人権の大切さについて考えてもらおうと、毎年8月を「心かよわす市民運動」月間と定め人権啓発事業に取り組んでいる。今年はタレントで駐日ギニア大使館顧問のオスマン・サンコンさん(71歳)を講師に迎え「みんな違ってみんないい」と題した人権講演を行った。

最初に人権啓発映画「サラーマット~あなたの言葉で~」を上映。新しく職場に来た外国人に対して、異なる文化や考え方の「違い」を「壁」だと捉えていた主人公が対立や交流を通して対等な仲間だと気付き、またSNSを傷付けるための道具ではなく、人の心と心を繋いでいくために利用する様子が描かれていた。

続いて人権講演で、母国の正装に身をまとったサンコンさんが登場すると大きな歓声が沸き起こった。サンコンさんは1972年にギニア大使館開設のために来日して大使館員として8年間勤務。その後、バラエティー番組に数多く出演し「1コン、2コン、サンコン!」のギャグで人気を博した。「ギニアは乾季と雨季しかないので暑いか雨のどちらか。日本の四季は素晴らしい」「生魚を食べる習慣がなく、タコは海の悪魔と呼ばれてる。今では一番美味しい」「ギニアは一夫多妻制で母親は3人、兄弟は22人!」と母国と日本の違いをユーモアたっぷりに説明。当時、日本語学校に通って日本語を覚えてからコミュニケーションが取れるようになったそう。6カ国語を話せるサンコンさんだが日本語が一番難しいと話す。「郷に入っては郷に従え」のことわざにあるように今では日本人より日本人らしいと言われるという。「日本を愛しているので自然な流れだった」と異文化との出会いも認めることで互いの真の理解が生まれると語る。

学生時代に右足を骨折したそうだが当時のギニアの医療技術では完治に至らず、今も曲がったままだという。「障がいの認定を受けているが恥ずかしいと思ったことはない。神様から与えてもらった運命」と常に明るく、ありのままの自分をさらけ出すサンコンさん。「分かち合うこと」「譲り合うこと」「許し合うこと」「感謝の気持ちを持つこと」が大事。「心の距離を近づけて!」と笑顔で締めくくった。須磨区から来場した60歳代の夫婦は「サンコンさんの人柄が表れていました。母国のためにボランティア活動に尽力されてて感動しました」と感想を話した。

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