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垂水区

神戸のいいね!美味しいもの編 いちじく

2020年8月19日号掲載

不老不死の果物 いちじく(無花果)

赤褐色に熟した「桝井ドーフィン」

いちじくは、神戸市の特産品で、西区は収穫量が県内で一位。そのいちじくで作ったジャムが市内の公立小学校や特別支援学校で学校給食として提供されている。

兵庫県はいちじくの収穫量が国内第3位(※1)。中でも神戸市西区は県内一を誇る。(2019年出荷量340t)学校給食食材の地産地消の取り組みから、西区生産者、JA兵庫六甲、神戸市、企業の協働で、2018年に特産品のいちじくを使用した「神戸いちじくのジャム」が誕生した。ジャムとなる品種「桝井ドーフィン」は、「国内の普及率が高く、なめらかな甘味があります」。(JA兵庫六甲 神戸西営農総合センター 石井康裕さん)。国内流通の約8割を占め、生食はもちろんジャムに適した品種だ。

いちじくは、聖書にも登場するほど歴史が古く、日本には江戸時代に中国から伝わった説と、ポルトガル人によって長崎に伝えられた説があり、当時は薬用として栽培されていた。水溶性食物繊維の一種ペクチンが多く、便秘予防の効果の他、カリウムも含まれているため高血圧予防の効果も。また、たんぱく質分解酵素フィシンが多いので、食後のデザートにピッタリなのだ。

西区発祥の整枝法「一文字整枝法」(※2)で生産されたいちじくは、8月末から9月上旬をピークに11月初旬頃まで収穫が行われる。完熟の採れたてが近郊で販売されるともに、500kgのいちじくを約8万食分の給食用ジャムに加工。今年収穫のいちじくが、給食になって登場する日が待ち望まれる。

(※1)2017年農林水産省統計
(※2)主幹から2本の主枝を左右に分けて地面から平行に剪定する。横からみると1文字に見える。

(上)いちじくの花の部分。小さくて白い花は内側にあるため、外側から花がないように見えることから「無花果」と書く
(下)葉は乾燥させていちじく茶に。

《いちじくを使った簡単&美味レシピ》
いちじくと生ハムサラダ

〈材料〉
ベビーリーフ…1パック
ドライいちじく…3個
生ハム…4~6枚
オリーブオイル…大さじ2
バルサミコ酢…大さじ1
塩…少々

〈作り方〉
ドライいちじくを刻み、生ハムを一口大に割いて、材料を和える。

《取材協力》 JA兵庫六甲 神戸西営農総合センター

 

 

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