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神港学園高等学校 生徒会ボランティア

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写真は、前列左端、吉岡秀成くん、後列左端、松本修汰くんと生徒会の皆さん

神港学園高等学校(中央区)の生徒会ボランティア9人は6月19日(金)と20日(土)の2日間、JR元町駅前で、新型コロナウイルス感染症患者の治療や予防のために最前線で闘っている医療従事者を応援しようと募金活動を行った。

同校生徒会は会長の吉岡秀成くん(2年)を中心に、通学路の清掃や諏訪山公園の餅つき行事に参加するなど、日頃から積極的に地域貢献を行っている。

新型コロナウイルスによる外出自粛の解除に伴い学校が再開。何か活動を始めたいと考えていた生徒会では、進路指導部長でボランティア同好会の顧問である中西正和先生から医療従事者への募金活動があることを聞かされた。

昨年10月の台風による豪雨災害の際には校門や食堂で生徒たちに募金の呼びかけをしたが、今度は校外での募金活動を通して人の温かさや優しさを感じてほしいとの提案だった。先生の意を受け生徒会全員がボランティア同好会に入会し、看板や市と県の募金箱を2つずつ手作りして当日に臨んだ。

左から松本修汰くん、山本政哉くん、吉岡秀成くん

学生たちは6月19日(金)に放課後2時間、20日(土)は午後1時から4時半まで、マスクにフェイスシールド姿でJR元町駅の東口と西口前に立った。コロナ禍で募金をしてくれる人は少ないのではとの不安をよそに、実際には多くの人たちから募金があった。千円札を入れる人も多く、中には用意した4箱全てに千円札を入れた女性までいたという。吉岡くんは「『ありがとう』や『頑張ってね』の言葉をかけてもらった上に飲み物やパンなど物品の差し入れまでいただいた。感謝しかなかったです」と当日を振り返った。結果は2日間で18万円を超え「やりがいがありました!」と学生たちは声を弾ませた。

活躍の背景にはいろいろな工夫や努力もあった。活動前に、中西先生から一人の女子高生が全力であたる募金活動の動画を観せてもらったことで、生徒会全員心が揺さぶられるほど感動し、やるなら「これだ!」とイメージが出来ていたこと。さらに「生徒会で応援団」というユニークな取り組みで、男子学生は日頃から諏訪山で声出しのトレーニングを行っていたことも功を奏した。

JR元町駅東口前では歩行者信号が青に変わると同時に吉岡くん、副会長の松本修汰くん、山本政哉くんの3人でローテーションを組み、駅に向かってくる人たちに全力で呼びかけた。発声する言葉は「私たちは神港学園生徒会です」「学校は再開しましたが、医療現場では毎日コロナと闘っています」「温かいご支援をお願いします!」など。すると何人かは必ず立ち止まって募金をしてくれたという。

中西先生は「学生たちがどれだけ続くか、どれだけ頑張れるか心配だった。1時間が限界かなと思っていたが、彼らは3時間以上呼びかけ続けた。すごいなと思った」と目を細めた。吉岡くんは「医療従事者の方たちはコロナの最前線で毎日闘っているが私たちには2日間しかなかった。だから、全力で頑張ろうと思った。結果につながりうれしい」と笑顔を見せた。

寄付金は神戸市の「こうべ医療者応援ファンド」に8万8948円。学生からの寄付を合わせ兵庫県が創設した「ひょうご新型コロナウイルス対策支援基金」に10万円の寄付を行い、それぞれから感謝状を受け取った。吉岡くんは「医療従事者の皆さんには心から感謝しています。役立てていただけるとうれしいです」と話した。次は、コロナ禍で活動自体がままならないが、「7月豪雨災害復興支援の募金」活動を行う予定。

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