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森林ナゾトキ探偵団~初夏の植物園の謎をとけ!~ 神戸市立森林植物園

記事 森林ナゾトキ探偵団~初夏の植物園の謎をとけ!~ 神戸市立森林植物園のアイキャッチ画像

7月18日(土)、「森林ナゾトキ探偵団~初夏の植物園の謎をとけ!~」が神戸市立森林植物園で開催された。梅雨の晴れ間、幼児から小学生、その保護者など約30人が参加。子どもたちの歓声が園内に響いた。

左から、加藤冬樹さん、竹原大貴さん、北﨑圭太さん

同企画は樹木や植物に秘められた不思議を子どもたちが興味を持ってナゾ解きすることで、植物に対する探求心や想像力を育み身の周りの人や物事への関心や思いやりにつながることを願って毎年開催、今年で5年目となる。今回はコロナ禍の中「害をもたらす植物に目を向ける」ことで「環境を求めて生きること」や「共存」を考え相互理解につなげたいと企画した。

講師は関西・中四国を中心に乳幼児から大人までを対象にした「あそび」「関り」のワークショップ・講座などを開催しているNPO法人アフタフ・バーバン関西。当日は同園スタッフと一緒にイベントをサポートした。

探偵団局長に扮した井上隆司園長

岡本佳菜子さん

ナゾ解きのヒントが出されると植物から届く手紙などで推理し参加者が「探偵」となって目的の植物などを探す。赤い服を着た、アフタフ・バーバン関西代表の北﨑圭太さんが自身のことを「トマト」と紹介。黄服の加藤冬樹さんは「ひまわり」、青服の竹原大貴さんは「ポカリ」と続けた。参加者は幼児組や学年別など5つのグループに分かれ、本番の「尾行修行」のために木や花、ダンゴムシに変身する隠れ身の術を体得。ミッション1として、各グループに手紙が渡されそれぞれフィールドへ出発した。

ワルナスビ

イスノキの虫こぶ

ワルナスビの駆除

手紙に書かれた特徴から「人物」を探しあて、その人物に気づかれないようカエルやネコ、木に変身しながら尾行を続け、その人物の行動のナゾを推理。その後、植物から届いた4通の手紙をもとにその植物が置かれている危機や問題を考え、それぞれの名前を当てるミッション2を行った。森林植物園・技術職員の岡本佳菜子さんは子どもたちにヘクソカズラなどユニークな名の植物を紹介。草の匂いを嗅いだり、イスノキの「虫こぶ(寄生生物の寄生によって植物体が異常な成長をすることで形成される)」植物の不思議を説明した。北﨑さんが「最後のナゾのヒントは〝トゲ・白い・低い!〟」と叫ぶと、子どもたちは歓声を上げながら萩の小径へ駆け出した。そこにはメキシコからやってきた外来種「ワルナスビ」がびっしりと生えており、全員でスコップを手にそれらを根こそぎ駆除した。探偵団局長に扮した森林植物園の井上隆司園長は「今日解いた謎は植物園のほんの一部の謎で、四天王のうち一番弱いタイプを倒したに過ぎない。残り3人と魔王級すべてを倒すまで植物の謎をどんどんと説いてください」と呼びかけた。

後列左端 北﨑さんと、イベントサポートメンバーの皆さん

親子4人で参加した母親の松本真紀子さん(明石市)は「知らない子どもたちと仲良くすることで順応性や協調性を養う良い機会となった」と笑顔。長男の丞太郎くん(人丸小2年)と、次男の旺次郎くん(5歳)は「楽しかった」と声を揃えた。土谷仁星くん(西落合小4年)は「植物の名前がおもしろかった。初めて会うチームの仲間と心が通じ合えてうれしかった」と明るく答えた。

北﨑さんは「植物からナゾの手紙が届くというファンタジーを含む内容に対して、幼児から高学年の子どもまで楽しみながら真剣に向かってもらえたことが印象的だった。大人も子どもも進行側の想定を超えたステキな反応ややりとりが生まれ、うれしく思った」と話した。次回は来年3月14日(日)の予定。

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