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須磨区

県立北須磨高校 合唱部 リモート合唱

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県立北須磨高校合唱部が、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に伴う臨時休校期間中にリモート合唱を企画し、実施した。

休校期間が続き部活動もストップする中、何かできることはないかと部員たちで考えたところ、リモート合唱の案が出た。リモート合唱とは、部員それぞれが自宅で歌って録音し、それらの音源を融合してひとつの合唱にするというもの。曲目はコロナウイルスの影響を受け入学式で披露できなかった「今日から明日へ」に決め、部員たちは各自練習に取り組んだ。

部長の有田真夏斗(まなと)くん(3年)は楽譜作成ソフトを用いてピアノ伴奏と混声合唱4パート(ソプラノ・アルト・テノール・バス)をそれぞれ1音ずつパソコンに入力。3時間ほどかけて4パート分の音源を完成させた。部員たちはその音源をイヤホンで聴きながら声だけを録音。人数分の声の音源を有田くんが編集した。フレーズごとにタイミングを揃える作業は0・01秒単位で調整したりノイズの消去など3分の曲に5時間もの時間を費やしたという。有田くんは「ひたすら同じ作業の繰り返しで気が狂いそうになった」と笑うが「いいものができた。みんなが喜んでくれたのがうれしい」と達成感をにじませた。その後、「パプリカ」やSNSで話題となった星野源の「うちで踊ろう」、ポカリスエットのテレビCM曲「ボクらの歌」など5曲をリモート合唱した。ツイッターや同校ホームページで参加者を募り、部員(2・3年)だけでなくOB・OG、新1年生、保護者も加わり約30人の歌声が一つになった。

合唱部を率いて8年目の能島秀邦先生は「和」を大事に指導にあたる。練習は平日1時間を集中して行う。土日は大会前を除いて基本休みなので兼部の部員も多いという。赴任当時、1人だった部員も現在は34人(男子8人、女子26人)。「みんな仲が良いので入部したら辞める人がいない。部員は増え続けている」とチームワークの良さが強みだと話す能島先生。「ボクらの歌」など一部の動画はOBが制作。編集テクニックも先輩から後輩に受け継がれている。

今夏開催の「全国高等学校総合文化祭」の合唱部門(WEB開催に変更)に県代表として18年ぶりに出場が決まった。「みんなで飛び上がって喜んだ」と、話す有田くん。「パートを超えてバランスを整える演奏を心掛ける」という能島先生の教えのもと、練習に励んだ成果が形となった。 今回、リモート合唱をしたことで離れていても繋がることができ、改めて音楽の素晴らしさを感じることができたと話す部員たち。より一層、団結力が深まり全国大会での演奏を目標に、持ち前のチームワークで高みを目指す。

※リモート合唱の動画は北須磨高校ホームページを検索。

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