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西区

青少年の居場所づくり「ユースステーション西」代表 芝和子さん

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神戸市の青少年の居場所づくり(中高生活動拠点整備事業)の一環として2005年に開設された「ユースステーション西」。西区文化センター(西区糀台)1階右手のスペースを利用して、平日の放課後や土日祝に自習や友達同士の交流やゲームなど自主的な活動をする場として提供されている。

左から、芝和子さん、神原洋一さん

感染症予防対策をしながら、6月1日(月)から再開。入場時の「緊急時連絡先」の記入や、各席の使用前後に、机・イス・荷物カゴの消毒などを徹底している。

 

立ち上げからこの事業に携わり、15年目を迎える現在も青少年の活動を見守る芝和子さん(73歳)はユースステーション西のあり方について「活動している子どもたちに『自分でどうしたらいいかを考え、それを大人を含めた他の人に説明・説得し、実行する』ということができるようになって欲しい」と話す。

実際に行動に移して失敗してしまうこともあるが、その失敗が次の経験で生きてくる。芝さんは、以前活動していたOBが久しぶりに訪れた際「ここで経験したことが社会に出てとても役に立っている」と話すことがあり、それがとてもうれしいと微笑む。大学生のボランティアに責任感のない行動があった時は叱ることもあり我が子を育てるように接しているという。いろいろなスキルを持つ人や、ユニークなキャラクター性のある大人もいる。「異世代との交流で、人へのかかわり方など学校だけでは得られない経験ができるのはユースステーション西の醍醐味」と芝さん。

施設内の本

施設内のおもちゃ

立ち上げ当初からのメンバーでは芝さんの他に10人が今もボランティアとして活動する。その1人で副代表を務める神原洋一さん(77歳)は「ボランティアは楽しんでするのがいい」と話し、ホームページ作りや新型コロナ対策のアクリルボードを手作りする。 芝さんは「継続は力なり。という言葉通りにボランティアの皆さんのおかげでいろいろなことが実現できている」と感謝を口にし「来年はこんなことがしたいなと思いつき、それを重ねていくうちにもう15年目。このアイデアが思いつかなくなったら、もう終わりかな」と笑い「いかに頭を柔らかくし、中高生の意見をキャッチしていけるかが重要」と話した。

準備中の箱庭療法のアイテム

準備中の箱庭療法のアイテム

神戸市は人口減少対策のひとつとして、西神中央駅周辺の再整備を進めており、あと3年ほどすると西区文化センターの移設など大規模な開発が行われる。芝さんは「移設先にもユースステーション西の場所を確保できれば、今習いに行っている『箱庭療法』にチャレンジしてみたい」と更なる意気込みを語った。

〈ユースステーション西〉中学生・高校生を中心とし、青少年が家庭や学校以外の場所で仲間づくりやさまざまな世代の人たちと交流することを目的する。フットサル・卓球・ダーツなどのスポーツの場や、バンドやダンスなどの自主サークル活動への場所を提供。利用している中学・高校生自身が参画(企画・運営)する「夢企画」イベントや、大学生のボランティアメンバーも一緒に参加するさまざまなイベントを開催する。

〈箱庭療法〉心理療法の一種で、砂を入れた箱の中にミニチュア玩具などを置き、また砂自体を使って自由に何かを表現したり、遊ぶことを通して行う。改めて今の自分の内面に気付くことができる。

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