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西区

ねこクラブ“たま”

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こクラブ“たま”(代表・福永君江さん・伊佐みわさん)は神戸市西区の月が丘・美穂が丘や近隣地域で、野良猫をこれ以上増やさず、今いる猫を地域猫として守るTNR活動や、保護した猫と新しい飼い主をつなぐ「里親会」を開催しているボランティアグループ。メンバー10人をメインに「人と人のつながり」を大事に多くの人たちと協力し合い、猫にも人にもやさしい街を願って活動を続けている。

活動のきっかけは阪神・淡路大震災後に遡る。西区月が丘に捨てられた2匹の猫からどんどん数が増え、多い時で50匹近くにもなっていた。「ネズミ算ならぬ〝ネコ算〟!あっという間に増えてしまう」と困惑した福永さんたちが、これ以上増えないようにと保護し不妊手術の手伝いをしたことが始まり。後に平成16年10月「月が丘アニマルズ」の名で活動を開始、翌年9月「地域ネコの会月が丘」として独立、ボランティア協力者が美穂が丘地区まで広がったことから、平成18年10月「ねこクラブ〝たま〟」と改名し、今日に至っている。

メンバーは野良猫や捨て猫の情報が入るとすぐに捕獲器を使って安全に捕獲し、不妊や去勢手術を行いその証としてネコの耳にVカットをする。その後、野良猫は元いた場所に戻し地域猫としてして餌を与えて世話をし、人馴れした猫や子猫は新しい飼い主が見つかるまで大切に保護をする。

新しい飼い主の募集はインターネットを利用。また月に一度、月が丘地域福祉センターで「里親会」を開催している。同会は2013年3月に多頭飼育崩壊の相談を受けたことをきっかけに始まり、以来引き続き行われている。他に広報紙「ねこクラブ〝たま〟通信」を年に3回発行。月が丘全世帯・美穂が丘・押部谷栄・富士見が丘・北山台地区へ2000部配布し、活動報告や協力の呼びかけを行っている。

同じ月が丘に住む正面久代さんが広報担当として5年ほど前からインスタグラムを使って保護猫たちの写真や里親会の情報を投稿。反響は大きく、そのフォロワーが里親会に来場したり、全国のペット里親募集情報サイト「ペットのおうち」の投稿を見て里親の申し込みがあったりと飛躍的に里親の輪が広がった。正面さんは「ネットでの里親募集は写真が決め手!」と専用の一眼レフカメラを購入し保護猫たちの愛嬌ある表情を投稿し続けている。目を引く里親会のポスターも正面さんがグラフィックデザインソフト「イラストレーター」を駆使して作成、POPなデザインや可愛い猫の写真を載せて「里親会」をアピールしている。

これまで保護し里親に出した猫は1000匹あまり。伊佐さんはその猫たちの写真に名前や里親先の記録などを1匹ずつ丁寧にまとめており、ファイル数も15冊を越えた。里親希望があった場合、必ずメンバー自ら希望者宅に保護猫を届け、飼育環境が万全か確認後トライアル契約を交わす。2〜4週間のトライアル期間を経て、猫が新しい暮らしに慣れてきたのを目安に譲渡の際にかかる初期医療費を支払い、正式譲渡となる。グループでは初めて猫を飼う人のために、食事やトイレなど猫の生活についてまとめた情報紙「はじめまして。ネコです」や「脱走防止対策マニュアル」も作成している。伊佐さんと正面さんは「愛情と責任をもった方に保護猫をもらってほしい」と声を合わせる。  猫は生後6カ月から妊娠し、年に2~3回出産する。避妊や去勢手術をしないと1年で78匹にまで増えてしまう計算。最近は三木市などからの相談も多く、伊佐さんは「野良猫の数を減らすのに他の地域からの手助けは難しい。そこに暮らす住民が自治会単位の規模で地域猫活動を行うことが大事」と呼びかけている。

〈TNR活動〉

T=TRAP(つかまえる)捕獲器を使って野良猫を捕まえる。

N=NEUTER(不妊手術する)

R=RETURN(元の場所に戻す)

※保護猫「里親会」開催  7月26日(日)、8月30日(日)、月が丘地域福祉センター(神戸市西区月が丘5・1・2)にて。

問い合わせ/ねこクラブ “たま”

miwamac@hi-net.zaq.ne.jp

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