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神戸学院大学 グローバル・セミナー2020

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遠隔会議ツール「Zoom(ズーム)」を利用したオンライン講座「神戸学院大学 グローバル・セミナー2020」が、5月23日(土)に開講した。新型コロナウイルス感染拡大により、国内外の学生が留学できなくなったため、国際貢献策として同大国際交流センターが企画。(後援・神戸市)

グローバル・セミナー担当講師は同大経済学部・岡部芳彦教授。4月、岡部教授が同大国際交流センター所長に就任後、世界全土が新型コロナウイルス感染症危険情報レベル2となり、国内外の留学生を一斉に自国に戻すという深刻な事態に陥った。国際間の交流は八方ふさがりの状況の中で、海外について学びたい日本の学生と、日本について学びたい海外の学生たちに対して何かポジティブなことはできないかと思いついたのが同セミナーだった。岡部ゼミを中心に2015年よりモスクワや北方領土で「アニメ・オタク文化青年サミット」を開催するなど、日本のサブカルチャーの海外普及事業に携わっていたことや、岡部教授自身がすでに「ズーム」について熟知していたこともきっかけになった。

セミナー開催にあたって、全学部1年生から参加できるように日本語で行うことにし、全学生にメールで告知。海外に対しては日本語ができることを条件にインターネットで呼びかけた。韓国、中国、ウズベキスタン、ロシア、台湾、ウクライナ、フランスの大学生、大学院生に加え、若手の日本語教員と予想を遥かに超える応募があった。抽選の結果、定員3倍の同大学生30人、海外学生29人(ロシア20人)が受講生となり、開始時間はインターネット回線の集中回避や時差を考慮し、土曜日の午後7時に決定。

開講当日、まず受講生はランダムに1対1や5、6人のグループで自己紹介やフリートークをし打ち解けた。その後、岡部教授が「おもてなし」をテーマに講義を行い、グループディスカッションで交流を図った。講義では705年創業、ギネス認定された伝統的なおもてなしを誇る日本の「世界一古い旅館」や、東京ディズニーランドにおける大人も夢から覚めさせない気遣いや事故を未然に防ぐための清掃スタイルなど、「並外れて素晴らしい」と海外でも評価される優れたサービスの発想や事例を紹介した。おもてなしの言葉そのものを知らない、食事の提供がおもてなしだと考えていた海外学生も多く、「おもてなしは日本独自の言葉だとわかった」との声が多く上がった。

ウクライナから参加したナディア・ゴラルさんは、「ディズニーランドでの掃除の事例に興味を持った。ズームで知らない人と話すのはプレッシャーもあったが非常に面白かった」と話した。法学部3年の田中萌恵さんは「海外に行けない状況で、日本語を学んでいる海外の学生と交流ができる貴重な機会だった。新たな出会いと知識を得ることができることがとてもうれしい」と話した。

セミナーは全5回で7月25日まで続き、2回目は日本のサブカルチャーについて、最終回はトーマス・エジソン唯一の日本人助手であった岡部教授の祖父・岡部芳郎さんについて取り上げる予定。

岡部教授は「ズームを使うことで瞬時に海外とつながり、簡単に交流を図れることがわかった。コロナをポジティブに良い機会としてとらえ、世界の扉にしてもらえれば」と笑顔で語った。

岡部芳彦教授

Zoom画面に映る岡部教授

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