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垂水区

垂水のいいね!人物編 事故物件住みます芸人 松原タニシさん

2020年4月22日号掲載

地元垂水周辺にも不思議な出来事が…
怪奇な現象を探求する

事故物件住みます芸人 松原タニシさん

今回の垂水のいいね! 人物編は、「事故物件住みます芸人」として活躍する松原タニシさん! 垂水区出身のタニシさんは、龍谷大学在学中に松竹芸能養成所に通い始め、お笑い芸人を目指し大学を中退。テレビの企画で事故物件に住み、そこで起こった出来事をレポートするようになった。事故物件とは、孤独死、自殺、他殺などで居住者が亡くなった住宅物件のこと。初めて住んだ大阪の住宅では、部屋の定点カメラに「何か」が写り込んでいたり、交通事故にあったり、立て続けに恐い思いをしたそうだ。以来7年にわたりさまざまな物件に住み、現在も大阪と東京、沖縄に「事故物件」を借りている。これまでの体験を本にした「事故物件怪談 恐い間取り」(2018年発行)は、10万部のベストセラーになり映画化も決定、今年の夏に公開予定だ。また、全国各地の心霊スポットや廃墟に深夜に一人で訪れ、その様子を動画配信する企画も行ってきた。訪れた約200カ所を紹介した著書「異界訪問記 恐い旅」(2019年発行)も話題となっている。

ゴリラの手には松原タニシさんの著書が!(松が丘公園 明石市松が丘)


「事故物件怪談 恐い間取り」

絶賛発売中(二見書房)
※今夏続編発売予定
※映画化決定!

訳あり物件に住み、心霊スポットに一人で行くのは恐くないのか? タニシさんに聞いてみると「僕にはいわゆる霊感はない、だからできるのかもしれない」「はじめは恐かったんですが、それより興味の方が強くなって。科学が発達して、ネットにあらゆる情報があり、ウソやヤラセはすぐにバレてしまう今の時代に、偶然で片付けられないような不思議な現象が起こる。調べてみると歴史的な謂れがあったりして…興味が深まってきた」。解明されない不思議にロマンを感じるという。「事故物件も心霊スポットも、亡くなった方がいるということは、ここで生きていたということ。それを考えさせられる」とも語る。

明舞古墳石を祀る祠(明石市松が丘) 由緒にはこのあたりの不思議な現象が記されている (著書「事故物件怪談 恐い間取り」にも収録)
「祓」の文字が刺繍されたファンの手作りカバンを愛用

生まれ育った舞子近辺の舞子墓園や明舞のあたりでも不思議な出来事がたくさんあるそうだ。「子どもの頃に普通に遊んでいた場所でも、あらためて調べるといろいろありますよ」。タニシさんの探求心は尽きることなく、かつて明舞団地に住んでいた弊紙編集者の体験談を逆インタビューするほど。現地に行くからこそ、その場の空気を感じ、地元の人の話を聞くことができる。まだまだ行ってみたい場所がたくさんあり、もはやライフワークになっているそうだ。


桜満開の明舞団地(垂水区狩口台)

そんなタニシさんのことをもっと知りたい方は、ラジオ関西で生放送している「松原タニシの生きる」をぜひ聴いてみてほしい。『死』から『生』を感じ取るタニシさんならではの、不思議体験や哲学論が満載だ。初回の4月6日に放送された哲学の言葉は「世界を変えられないなら、自分のまわりの小さな世界を守ろう」。心温まる力強い言葉をもらった。


「松原タニシの生きる」(ラジオ関西) 毎週月曜日19時30分〜
(YouTubeで視聴可)

 

松原 タニシ/まつばら たにし

1982年垂水区出身。松竹芸能所属のピン芸人。 滝川高等学校卒業、龍谷大学文学部中退。「事故物件住みます芸人」として、日常に発生する心霊現象を日々検証している。怪談イベントや怪談企画の番組など多数出演。

 

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