垂水のいいね!電車と散歩編 山陽明石駅
2020年4月8日号掲載
〈第12回〉山陽明石駅&駅周辺散歩
県下で有数の桜の名所「兵庫県立明石公園」や有名な「魚の棚商店街」、かつての明石城の跡にも出会えるコース!
今回は垂水区の隣にある明石市の表玄関、山陽電車「明石駅」の周辺を歩いた。駅のすぐ北側には、県下でも有数の桜の名所として知られる「兵庫県立明石公園」があるが、まずは駅の南側に向かった。ここ数年で駅の南側は再開発により大きく変わっている。機能的になったバスのロータリーを挟んで、すぐ南側には、市民図書館や市民広場なども入った複合施設「パピオスあかし」が造られている。
駅から、同施設のエスカレーターに乗って上階に向かう。扉をくぐって中に入ると屋内型の市民広場があり、普段はイベントなどが開催される場所である。そこを抜けて南側のデッキに出ると、国道2号線を跨いだ歩道橋がある。この橋は、明石の人気観光スポットとして知られる「魚の棚商店街」にバリアフリーで行けるようにと、パピオスあかしのオープンに合わせて設けられたものだ。
歩道橋を渡って同商店街に足を踏み入れた。商店街にはさまざまな店が並んでいるが、他の商店街と違うのは、すぐ近くにある明石漁港で獲れる多彩な魚介類を手ごろな値段で販売している店が多い点だろう。商店街を東に進むと、店先に美味しそうな魚が並び、焼き魚の香ばしい香りも漂っている。
アーケードを抜けて右に曲がって、道沿いの「明石銀座」の通りを南に向かう。途中、運河に架かる橋からヨットハーバーを眺めながら、かつて存在した淡路島に向かうフェリー乗り場跡近くまで進んだ。残念ながら今は駐車場になっているため、簡単に海岸縁には行けない。
そこから東へ向かう。しばらく進むと明石市役所が見えてくるが、その手前で左に曲がって北へ。ここは桜町と言われる地域で、飲食店が並ぶ、いわゆる『飲み屋街』になっている。その中には、純喫茶など昼間も楽しめる店舗もあるので、散歩途中に立ち寄ってみては。
次に向かったのは「白雲通り」の中にある「白雲社」。この社には、その昔、明石城の外堀に面した武家屋敷の土手の一角に植えられていた5代目に当たる枝垂れ桜の大木がある。ちなみに通りの名前は、この桜が開花した姿が白雲にたなびくように見えたことに由来するそうだ。
社にお参りしてそのまま北に向かう。山陽とJRの高架下をくぐって、最終目的地の「明石公園」へ。
「明石城」を中心とする同公園のソメイヨシノは、取材時(3月21日)にはつぼみが開きかけた状態でまだ咲いてはいなかったが、園内を散策すると早咲きの品種の桜が2部ぐらい咲いていた。
今年は桜の開花が早いと聞くので、本紙が発行される頃には散り始めているかもしれないが、ポカポカと気持ちの良い気候の中、ゆっくり園内を歩いてみては。今回は「明石城」にまつわる、明石市の歴史の一端にも触れられる散歩コースとなっている。