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須磨区

フラメンコギターサークル LA GUITARRA(ラ・ギターラ)

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スペイン語でギターを意味する「LA GUITARRA(ラ・ギターラ)」はコープ名谷店(須磨区菅の台)のコミュニティスペース「すま居る名谷」からフラメンコギターの魅力を発信するギターサークル。「フラメンコギターについてなら一日中でも語りつくしてしまう」と語る陽気なメンバーが集う。

左から、塩見日出夫さん、沼田幸男さん、沼田進さん

募集当時のチラシ

「かれこれ7・8年前になるのかな?」と話すのは代表の沼田幸男さん(垂水区77歳)。全国各所にフラメンコギターの同好会があるのに、兵庫県にはなかったので作ろう!と思い立ち「神戸フラメンコギター同好会」を立ち上げた。当時、チラシ(写真参照)を半年かけて東灘から舞子あたりまで市の無料掲示板に貼り参加者を募った。人づてやチラシを見てポツポツメンバーが集まり、現在約20人になる。フラメンコギターに興味のある未経験者、少し習っていた人、ブランクのある人などが一堂に集まり練習やアンサンブルを楽しみ実力がつき「そろそろ発表の場が欲しいな」と思っていた矢先、ちょうどコープ名谷店のリニューアルに伴い地域の人々が利用ができるコミュニティスペース「ふれあい喫茶」の時間に演奏の機会を得た。

一緒に活動する沼田進さん(垂水区71歳)は幸男さんの弟。ともに子どもの頃からギターに親しんで育った。須磨が大好きという塩見日出夫さん(姫路市66歳)は、ギターブームだった自身の青春時代に夢中になって練習したそう。沼田さん同様、関西のフラメンコギター界でその名を知らない人はいないと言われるギタリスト、故・三好保彦さんからフラメンゴギターを教わったという。

50年ほど前、当時はフラメンコの楽譜はおろかレコードでさえ手にするのが困難で、三好さんが採譜しアレンジした楽譜で練習した。店を何件も巡り見つけたレコードを何回も聴き、奏法や音を探った。進さんは「三好先生の家で面と向かって畳に座り、ギターを構え見様見真似で師匠の指先を見て覚えた。今みたいにスマホで動画を撮るわけにもいかず必死でしたよ」と話し、ある時、教えることは全て教え「もう来なくていいよ」と言われた、と当時を懐かしんだ。「今、こうして一緒に演奏しているのも不思議な縁。これも『フラメンコギターの魅力をもっとみんなに知ってもらえ!』という三好先生のお導きなのかな」と三人は笑う。

フラメンコは特徴的な奏法が多く昔は演奏を聞いて音を読み取る練習法が多かったというが、今は譜面を見ながら行う。見た目はそう変わらないがギターにも違いがある。リズミカルで軽快なサウンドが求められるフラメンコギターはボディの側面と裏面が軽い素材で作られている。明るい音色とフラメンコの踊りに合わせ残響が残らないよう、音が鳴ってから減退するまでの歯切れが特徴。フラメンコは庶民の生活の中から生まれたもの。哀愁に満ちた音色は津軽三味線や民謡の追分に通じるものがある。日本では昭和30年代後半から40年代半ばが第1次ブームで、1992年のバルセロナオリンピックの頃が第2ブームだったそう。

「スペインの次にフラメンコ人口が多いのは日本なんですよ。血が騒ぎ、感情を盛り立ててもらい元気になる」と塩見さん。「もっと若い世代の人もフラメンコギターの音にふれてほしい。興味のある人はぜひ聴きに来て、間近で感じてください」と3人で呼びかけた。

見学は随時、参加費無料。連絡先は沼田幸男さん070(5269)6926まで。

〈ギター練習日〉 第1火曜日、午前10時~昼12時、午後1時~3時

第3火曜日、午前10時~昼12時

〈ギターアンサンブル練習日〉 第2・4日曜日、午前10時~昼12時

〈ふれあい喫茶〉 第3火曜日、午後1時半~3時 喫茶/150円 「Salon de ギター」ギター演奏

※いずれも「すま居る名谷」にて

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