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垂水区

垂水のいいね!人物編 絵葉書資料館・神戸時計デザイン博物館 館長 藤野 直計さん

2020年3月25日号掲載

古き良き時代を伝えるアンティーク絵葉書の世界

絵葉書資料館・神戸時計デザイン博物館
館長 藤野 直計(ふじの なおかず)さん

歌敷山の住宅地に佇む、絵本にあるような可愛いお家。実はここ、世界的にも珍しいアンティーク絵葉書の資料館だ。明治から大正、昭和初期にかけての国内外の絵葉書、約800種類が展示されている。すべて館長の藤野直計さんの所蔵品で、展示はそのごく一部だという。


兵庫県の風景を集めた「絵葉書で見るタイムスリップ」

藤野さんは神田町に生まれ、垂水で育った。コレクションのきっかけとなったのは、偶然出会った昔の神戸を描いた絵葉書。環境破壊が社会問題となった昭和の高度成長期以降、まちの景色は大きく変わった。絵葉書の中には懐かしい故郷の風景が広がり、古き良き時代の生き生きとした風俗や文化を今に伝えている。日本で私製絵葉書の使用が認められた1900年(明治33年)以降、さまざまな図案の絵葉書が数多く生まれ絵葉書文化の花が開いた。美術絵葉書の多くは著名作家が手がけ、本画にはないユニークなデザインが生み出されたそうだ。「こんな世界があるんだ」小さな美術品に魅せられ、以来アンティーク絵葉書を収集するようになった。気がつけば40年、5万点以上ものコレクションに。「収納する場所もなくなるくらいになって、せっかくなら貴重な絵葉書を多くの人に見ていただきたい」と2004年に自宅を改装し資料館を開いた。

絵葉書は購入することもできる

館内は、日本美術・木版画、手彩色、猫の特集、海外絵葉書などのコーナーがあり、さまざまなジャンルの絵葉書を間近に楽しむことができる。また、光を当てると美しい画が浮かび上がる透かし絵葉書の実演や復刻絵葉書の販売コーナーも充実。インターネットで知って、国内・海外から多くの人が来館する。昨年秋には所蔵の絵葉書の中から兵庫県の風景を集めた「絵葉書で見るタイムスリップ」も出版した。舞子公園の松林や山陽電車の昔の駅など、垂水の懐かしい風景も数多く収録されている。

藤野さんのコレクションは絵葉書だけにとどまらない。アナログ時計も数多く収集し、昨年、隣の敷地に「神戸時計デザイン博物館」を開館した。こちらでは、アール・ヌーボー、アール・デコの装飾時計、日本の昭和のプラスティック置時計、からくり時計など、デザインにこだわった世界の時計を見ることができる。

《絵葉書資料館》
垂水区歌敷山1-7-20
TEL:705-1512
https://www.ehagaki.org
入館料:大人(高校生以上)400円 小人(小中学生)300円

《神戸時計デザイン博物館》
TEL:705-0080
https://www.kobe-clock-design-museum.org
入館料:大人(高校生以上)800円 小人(小中学生)600円

開館日時2館共通:木・金・土 11:00~17:00
※お得な2館共通券もあり

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