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垂水区

垂水のいいね!学校編 本多聞小学校 放課後学習

2020年3月11日号掲載

本多聞小学校 放課後学習

児童と支援者がマンツーマンで学習に取り組む

本多聞小学校では毎週木曜日の放課後に、「頑張るもん教室」、「プリもん学習」と題した放課後学習の時間を設けている。教員と保護者、PTAをはじめとした地域の支援者が子どもたちのために力を合わせて取り組んでいる放課後学習にお邪魔してみると、各学年ごとに宿題やプリント学習に励む子どもたちの姿が見られた。3年前から始まったこの取り組みについて、同校の長谷川校長先生に話を聞いた。

〈所在地〉垂水区本多聞4-4-1
〈URL〉http://www2.kobe-c.ed.jp/htm-es/

木曜日の放課後、15時半から16時半頃までの約1時間、各学年の教室で十人前後の児童がノートや教科書を広げる。6年生はパソコンルームでパソコンを使った調べ学習の真っ最中で、5年生までのすべてのクラスでは、子どもたちのそばに先生とともにボランティアの支援者の姿がある。漢字の書き取り帳を見ながら「字が上手に書けているね」、算数ドリルの答え合わせをしながら「全問正解だよ。すごいね」と声をかける人も。1人の児童に対して1人の支援者が隣に座るマンツーマン体制。支援者にとっては、孫にあたるような子どもたちを温かく見守る。同校で放課後学習が始まったのは2017年。子どもたちの学力を上げたいと願う保護者と先生たちの信頼関係、地域の人々の協力のもとに始まった。昨年本紙でも紹介した『PTAのトリセツ』の著者、今関明子さんの尽力も大きい。

「支援者の方は、今関さんはじめPTAの方たちが作ってくれたボランティア募集のチラシを見て来られた方や、わざわざバスに乗って遠くから来てくれる方もいます。支援者会議では、担任から『この子は隣に座って見守ってほしい』とか、『わからないところがあったら教えてあげてほしい』などお伝えし、支援者の方はそれを踏まえて子どもたちを見てくださる。ひとりひとりの個性を尊重してくれています」(小川教頭先生)

3年生の教室にいた支援者の1人は、「ちょっとしたつまずきで勉強がイヤになった子でも、一緒に宿題をやり続けることでできなかったことができるようになっていく。みんな賢いです」。他の学年の教室でも、「勉強を頑張る子どもたちの姿に元気をもらえる」、「先生たちがとても熱心。だから成果が出ているんだと思います」と支援者は語る。

第三者のおとなに勉強を見てもらうことは、子どもたちの心の安定にもつながる

長谷川校長先生によれば、放課後学習が可能なのは本多聞小ならではの利点も関係しているという。「校区が狭いことで、どこに住む児童も学校から20分ほどで帰宅が可能で、16時半まで勉強しても17時には帰宅できる。その安全が担保できているのは大きいです。私が赴任する以前から自主的に放課後に残って宿題を見てあげていた先生も多く、今でも木曜日以外も残ってくれている先生もいます。親とも先生とも違う第三者の大人と、学校であった出来事を話しながら宿題を見てもらい、音読を聞いてもらう。それは子どもたちの心の安定にもつながります」

見学している間も、児童が「小さい頃は何になりたかった?私はダンスの先生になりたい」と話しかけると、隣に座る支援者が「すごいね!頑張ってね」と話し、なごやかに宿題をする姿が見られた。本多聞小学校は令和3年度に多聞南小学校との合併が決まっており、合併後も放課後学習は継続していきたいと先生は話している。

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