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垂水区

垂水のいいね!電車と散歩編 山陽垂水駅〈イカナゴ編〉

2020年2月26日号掲載

垂水のいいね!電車と散歩編 山陽垂水駅〈イカナゴ編〉

春に垂水や須磨・明石を歩いていると、どこからか甘く煮詰めた魚の匂いが漂ってくることがある。それは、家でつくっている「イカナゴの釘煮」の香り。毎年、春の訪れを告げてくれる釘煮の本場・垂水を今回は訪ねた。垂水には漁港があるため、昔からイカナゴと縁が深く、それだけに釘煮を家でつくる人は多い。

「山陽垂水駅」を降り、西口改札から出る。すぐ北側にある横断歩道を渡り、一筋北側の路地を東に向かって歩く。東口改札もあるのだが、昔ながらの垂水の雰囲気を残している路地を歩くため、西口改札からゆっくり進む。細い道にも関わらず、両側に魚屋や和菓子屋などが点在していて、歩くだけでも楽しい。

やがて、通称「いかなご広場」と呼ばれる東口北側広場に着く。広場には、大きな「イカナゴのモニュメント」が風に吹かれてゆっくりと回転していた。イカナゴのシーズンになると、ここから『イカナゴの歌』も流れるそうだ。

そのモニュメントを見た後、すぐ南にある横断歩道を渡り、山陽電鉄とJRの高架下をくぐって南に向かった。高架をくぐってすぐの細い路地を右に曲がる。進むと土塀のくぐり戸に辿り着く。そこから中に入ると、垂水を代表する寺社のひとつ「海神社」の境内。少し歩くと社殿前に出る。そこでお参りして、南側にある鳥居を抜けて国道2号線に出る。

国道を渡る横断歩道は100mほど西側にあり、そこから垂水漁港に向かう。しばらく進むと漁港の入り口近くにある「神戸市漁協組合直売所」に着く。ここではイカナゴやチリメンなどの加工品を販売していて、店で聞くと「釘煮は通年で販売しています」とのこと。

「クルミ入りイカナゴ」といった、家庭ではつくれないようなものもあるので、一度立ち寄ってみては。なお、例年通りであれば、3月初旬にイカナゴ漁が解禁される予定だ。 (2020年2月29日に解禁済)

せっかくここまで来たのだからと、直売所の西側にある「三井アウトレットパーク マリンピア神戸」まで足を延ばす。遠く明石海峡大橋をバックにしたショッピングモールは、買い物だけでなく食事などもできるし、海沿いには「さかなの学校」もある。途中にはインスタ映えしそうな海賊船の模型なども設置されていて、訪ねるだけでも楽しい。

マリンピア神戸をぐるっと巡って駅に戻ると、約1時間程。このコースは、風光明媚な大阪湾が広がっている場所を歩くことができ、身体にも心にも優しい散歩コースとなっている。

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