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垂水区

垂水のいいね!電車と散歩編 山陽月見山駅

2020年1月22日号掲載

〈第10回〉山陽月見山駅&駅周辺散歩

その名も美しい「月見山駅」は「須磨離宮公園」への玄関口。公園では2月に「梅見会」が開催される!

今回訪問したのは美しい駅名の「月見山駅」。明治43年に設置されたという歴史を誇る駅であり、平成21年から特急を含む全列車が停車するようになっている。そして、停車前に「須磨離宮公園前」と副名称がアナウンスされるように、須磨の名所の一つ「須磨離宮公園」の玄関口でもある。

駅を降りて、その須磨離宮公園に向かう。改札を出て右に曲がると、住宅街を縫うようにゆるやかな上り坂が見える。

その道を突き当りまで歩いて左に曲がると横断歩道があり、渡ってすぐに歩道橋がある。その橋を進むと「本園」の正門前に着く。

それとは別に、ちょっと分かりづらい道ではあるが、坂の突き当たり前にある細い小道(通称「バラの小径」)を左折して進んでもいい。  正門をくぐると料金所があり、入場料を払って中に入る。前には『馬車道』と呼ばれる坂道が上に続いているが、今回は、料金所の横にある小路を曲がって、少し先にある鬱蒼とした木々に囲まれた石段を登った。  着いたのは「潮見台」と呼ばれる展望台がある高台で、須磨海岸沿いの町並みや遠く淡路島や明石海峡大橋を望むことができる。ちなみに、駅からここまで、それほど急なものではないが、ほぼ登りが続くので、靴はスニーカーなど歩きやすいものにして、所々で休憩を入れるといいだろう。  その潮見台の先には、かつての離宮御殿を思い起こさせる「中門」が残されていて、立派な獅子の像も門の左右に2体佇んでいる。

さらに進むと「バラの歴史と文化園」がある。ただバラが咲くのは春と秋なので、冬場は残念ながら花は見られない。  バラ園の隣の園を代表するスポットの「噴水広場」を通り抜け、東側にある、植物園に連なっている隧道(トンネル)を目指した。このトンネルは、離宮の建設当時からあったそうで、確かにレンガ造りで年月を感じさせる重厚なもの。

そのトンネルを抜けると、両側にジャンボすべり台が設けられた長い階段があり、それを降りる。  そして、その先にある連絡橋を渡って、中央に観賞温室や和室、和庭園などが設けられた「植物園」へ向かう。入口では、「ジュウガツザクラ(十月桜)」に、ちらちらと花が咲いているのを見ることができた。なんでもこの木は、その名のとおりに10月から春まで、少しずつ咲き続けるそうだ。  その横にある坂を上って、少し行くと、今回の目当てである「梅園」がある。そこでは毎年、梅が咲く2月に「梅見会」が月末近くまで開催されている。ここまで辿り着くまでに高低差があるので少し大変かもしれないが、梅見会の頃に是非足を運んでみては。

ここまで約30分。植物園にも「東門」という出入り口があるので、そこから帰ることも可能。ここからさらに駅に戻ると、合計で小一時間ほどかかる。梅の花が咲く頃にはピッタリの散歩ルートになるだろう。

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