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垂水区

垂水のいいね!旬のおいしいもの編 豆腐

2020年1月8日号掲載

時代をこえて愛される 豆腐

キャッチフレーズは、“ふりむけば塩屋の味„。今回は地元で愛されて40年「田仲とうふ店」(垂水区塩屋町)の店主田仲盛秀さんにお話しを伺った。

塩屋駅北口をでて、細い路地に入りしばらく進む。「田仲とうふ店」の店先は、大人がすれ違える程度の道幅。昭和47年の開業以来、毎日行き交う人達と、笑顔を交わしてきた。「こんにちは~」通りがかった下校途中の小学生が挨拶し、「おかえり~」と返す。近隣の小学校12校に納入し、垂水区青少年育成委員会塩屋支部長を務め、時にこども食堂の手伝いをする田仲さん。だから地元の子どもとは、つながりが深い。人気商品「とうふスティック」は、授業で訪れた塩屋小学校の生徒の一言がきっかけで誕生した。

人気商品「とうふステック」子どものおやつにも

「軽く炙って、しょうが醤油につけて食べたら美味しいで」。そう教えてくれたのは、買い物にやってきた常連さん。消泡剤などの添加物は使用しない。絹ごし豆腐、木綿豆腐、田舎豆腐、嵯峨豆腐。豆腐の種類の違いは、固さの違いで、水分の含有が多ければ柔らかく、重しで押さえて水分を極力抜いた田舎豆腐は、一番固い。次いで木綿豆腐⇒嵯峨豆腐⇒絹ごし豆腐の順で柔らかくなっていく。沖縄のゆし豆腐は、おぼろ豆腐のようなトロトロとした柔らかさ。(ゆし)は沖縄の方言で、汁を意味するそうだ。

「塩屋はええとこやで」塩屋の街をこよなく愛す田仲盛秀さん

豆腐は、奈良時代に遣隋使により中国から伝わってきた。当時は僧侶や貴族といった一部の人にしか食べることができなかったが、江戸時代にもなると、庶民の間でも食するようになった。1782年(天明2年)に出版された豆腐の料理本「豆腐百珍」は、日常的な調理法から(尋常品)、ちょっと変わった調理法(奇品)、豆腐の美味しさを最大限に活かした調理法(絶品)など100種類の調理法が紹介されている。ベストセラーになるほどだったことから、江戸時代でも豆腐がいかに人気があったかが、うかがい知れる。ちなみに現代では、味噌汁の具人気第1位、鍋に入れたい具としても上位にランキング。様々な調理で味わえる豆腐は、時代を越えた今もなお愛されている。

注文が入ると水の中から豆腐をすくい、容器へ

◎高津湯とうふ
「豆腐百珍」より
〈材料〉2人分
絹ごし豆腐1/2丁、だし汁1カップ、しょうゆ大さじ1、水溶き片栗粉適量、からし少々
〈作り方〉
❶だし汁を加熱し、しょうゆを加える。煮立ったら水溶き片栗粉を加えとろみをつける。
❷絹ごし豆腐を温める。※煮すぎないようにする。
❸②の豆腐の水気をきってから、①をかけ、からしを添える。


ノスタルジックな雰囲気が漂う路地

<取材協力>
有限会社 田仲とうふ店
垂水区塩屋町3丁目9-22
TEL.753-2346
営業時間:8:00~19:00
定休日:日祝

 

 

 

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