編集記事

その他の地域

こうべべっぴんおふろ学校

記事 こうべべっぴんおふろ学校のアイキャッチ画像

12月15日(日)神戸国際会館(中央区御幸通)で、お風呂の良さを学ぶ「こうべべっぴんおふろ学校」(主催/神戸市水道局)が開かれ、約100人が参加した。

竹原広実教授

石澤太市さん

このイベントは神戸市水道局と給湯メーカーの株式会社ノーリツ、神戸女子大学の学生たちが連携して、2016年に立ち上げたプロジェクト「おふろ部」の活動の一環。 神戸市の水道使用量は減少傾向が続いているが、水を適度に使用することで新鮮な水が維持でき、また市民にとっても健康効果があるため入浴を促進する取り組みを進めている。

年に一度開催される「おふろ学校」は今回で4回目を迎える。今年は、京都ノートルダム女子大学の竹原広実教授が「浴室環境とライフスタイル」と題した講演を行った。1950年代創刊の歴史ある住宅雑誌を用いて浴室環境の移り変わりを説明。1970年代は西洋住宅を模倣し、色彩が独特なのが特徴。90年代には浴室は「第2のリビングルーム」となり華やかさが生活にプラスされた。2000年代はバリアフリーや省エネなど機能が充実。さらにはバスタブをオブジェのように見せる浴室のために設計された住宅が登場した。竹原教授は「誌面から歴史の背景やどんなメッセージが込められているのかを探ると社会情勢が色濃く反映されている」と締めくくった。

続いて、株式会社バスクリンつくば研究所の石澤太市さんが「入浴の効力と魅力」について語った。石澤さんは開発する入浴剤の効能を自らの入浴でデータ化し研究しているという。浴槽浴頻度が高いと健康度も高く、毎日の入浴習慣が心身の健康維持に大きく影響していると石澤さんは話す。またアスリートに有効である疲労回復・予防に効果的なヒートショックプロテイン産生に適した体温変化や入浴時の香りが睡眠に大きく影響するなど興味深い内容が多かった。西区樫野台の秋原紀子さんは「健康や美容に興味があるので参加しました。提案された入浴方法を今晩から実践します」と話した。

おふろ部は現在参加の裾野が広がり、10の大学と5つの自治体職員が部員として参画。風呂好きな人を増やすことを目的に美容やダイエット、便利グッズなど入浴にまつわる幅広い内容を情報発信サイト「おふろ部」にアップし、ライター活動や各都市と連携したPR活動を行っている。同部員の金山昌太さん(近畿大学3回生)は「多くの人に見てもらえるように情報収集して投稿したい」と話した。

※おふろ部/https://ofurobu.com/

※ヒートショックプロテイン(HSP)/傷んだ細胞を修復するタンパク質。HSPを増やすことで、抗酸化作用・免疫力が高まり、美肌や病気の予防に効果があるとされ、美容業界や医療業界で注目されている。

カテゴリー