親子自然教室~冬鳥の観察~
12月15日(日)「親子自然教室~冬鳥の観察~」が北須磨文化センター(須磨区中落合)で開かれ、親子13組26人が参加した。参加者は名谷駅北側の自然池でさまざまな水鳥を観察した。 講師/中野照男さん
北須磨文化センターでは中野照雄さん(元和歌山大学講師)による子ども科学者シリーズ「親子自然教室」を年4回開催している。中野さんは自然観察や多彩な遊びのエキスパートで、身近にある自然に親しむことで、子どもたちが自然の不思議さに気づき興味や関心を持ってほしいと2009年から続けている。春は野草の天ぷら、夏はホタル観賞が行われ、2月にはダイヤ凧づくりが予定されている。
観察会の前にセンター内のロビーで鳥についてのレクチャーがあった。中野さんは「鳥のクイズをします!」と子どもたちに呼びかけ、話を進めた。鶏肉屋で購入したニワトリの鶏ガラを取り出し、14個あるニワトリの首の骨の数を数え、人間や動物の6個と比べて数が多いことを伝えた。「鳥は足の何を使って土を掘りますか?」の質問に、子どもたちは大きな声で「ツメ!」と答え、中野さんは本物のニワトリの趾(あしゆび)を取り出し「ニワトリは足の指が4本。1本は木に掴まったときに落ちないように後ろに曲がっています」と説明。「 爪の先や爪の皮膚が人間と比べてどうなっているか確かめてね」と子どもたちに差し出した。子どもたちは鶏ガラやウロコ状の尖った趾を興味津々の様子で眺め、触って観察した。さらに鳥は空を飛ぶのに体を軽くするために歯がないことや、骨も人間に比べて軽く中が空洞で、「すじかい」のようなものが入り壊れないようにできていることなど実際に骨を見せて説明した。
また「身近にいる鳥の復習です!」と、画用紙に描いた自筆の鳥の絵を見せながら18種類の鳥の鳴き声や特徴を紹介。子どもたちは、「メジロ!」「ウグイス!」「コゲラ!」など知っている鳥の名前を元気よく答えた。続いて、野鳥の会の吉﨑美佳子さんが、鳥には2種類の飛び方と歩き方があるとジェスチャーを交えて伝え、鳥の大きさは〝ものさし鳥〟と呼ばれる「スズメ、ムクドリ、キジバト、ハシブトガラス」の4つで分けられていることを説明し、身近で見慣れている鳥を大きさの基準とする方法を説明した。
約1時間のレクチャーの後、いよいよ冬鳥の観察へ出発。センターから落合中央公園を抜け、名谷駅北側の自然池(落合池)まで鳥を探しながら歩いた。自然池では数々の野鳥が観察できる。留鳥(りゅうちょう・とどめどり/年間を通して同じ場所に生息し、季節による移動をしない鳥)のカイツブリにカルガモ・バン・オオバンや、日本の中で移動するコサギにシベリアから飛来した冬鳥のオカヨシガモ・ヒドリガモなどを双眼鏡で観察した。木の上で大きく羽を広げ乾かしている真っ黒なカワウの姿には参加者は興奮した様子だった。
毎回参加している計倉健志くん(東町小1年)は「知らなかった鳥を覚えられてよかった。鶏がさわれて楽しかった」と笑顔。兄の大輝くん(高1)は第1回目から参加し現在はスタッフとして活動している。幼い頃から自然教室で学び「これまで普段の生活では経験できない多くのことを学ぶことができた。興味の入り口に立たせてくれた先生への恩返し」と笑顔をみせた。
中野さんは「自然はたくさんのことを教えてくれる。子どもにとって実際に触れ、見ることが大事」と話し「引きこもりになりそうな時、海や山で鳥の鳴き声を聞くと心が癒される。自然が失われる前に自然のもつ素晴らしい力を子どもたちに伝えていきたい」と笑顔で語りかけた。
次回「親子自然教室」は2月2日(日)午前10時~昼12時「ダイヤ凧づくりと節分の話」。1月8日(水)から先着順にて受付。問い合わせは北須磨文化センターTEL(791)0840まで。