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西区人権講演会「谷五郎のちょっといい話~ささえあい思いやる心~」

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12月4日(水)、西区民センター(西区糀台)なでしこホールで、西区人権講演会「谷五郎のちょっといい話~ささえあい思いやる心~」が開催された。

「世界人権デー」は毎年12月10日に行われる国際デー。1948年12月10日、国際連合で世界人権宣言が採択されたことから1950年の国連総会においてこの日を世界人権デーとすることが定められ、日本ではこの日までの1週間を「人権週間」とし「思いやりの心」について考える週間としている。

講師はラジオ・パーソナリティを中心に、講演会、各種フォーラムなどで活躍する谷五郎さん。「谷五郎の笑って暮らそう」(ラジオ関西・毎週火曜日)のパーソナリティを務めている。番組内のコーナー「ハートフル・フィーリング」では「人への思いやり」や「人とのきずな」など人権についていろいろな話題を届けているが、谷さんは「このコーナーで『人権』という言葉に触れていると、日常生活の中でもその言葉が目に入るようになった」と話す。

例えば差別の歴史を教えたからといって差別意識を助長することはない。しかし人権教育を受けていない人がネットのさまざまな意見に影響を受け差別する側になることもある。「やはり知ることが大事だ」と谷さん。また、前日の新聞に掲載された「改正児童虐待防止法」の内容を取り上げ「長時間の正座は躾ではない。虐待を防ぐ社会の仕組み作りが必要」と話した。  企業においては、採用試験の面接で採用側の「尊敬する人は?」「購読新聞や愛読書は?」という質問はNGとのこと。思想信条にかかわることに該当するので、答えの内容で差別する可能性があるとの理由だからだそう。認知症患者の人権については谷さん自身の母親のことにも触れながら、先進的な取り組みをしている福岡県大牟田市の例を紹介。街を徘徊する「認知症役の人」を見つけ出す訓練をしたが、誰ひとり声をかけないので結局見つけられなかった。その理由を探るシンポジウムで対策を考えたという。

人権を考える数々のトピックも提案した。「ケーキの切れない非行少年たち」という本でも触れられているように、犯罪を犯した医療少年院の子どもたちは、周囲の大人に知的障害に気づいてもらえず見過ごされ非行に走るケースも多いという。知的障害の判断基準が、IQ80以下から75以下に引き下げられた(80では多すぎるというだけの理由)。谷さんは「社会や学校への適応が困難な子どもたちの苦悩が見過ごされることがないよう見守らなければならない」と訴えた。また、男と女の人権については「女の機嫌の直し方」という本を例に出し、そもそも男女の脳の構造が違うということを理解し合おうと話した。

谷さんは講演の中でたびたび自身の妻(ニックネームは「イメルダ」)を登場させ面白おかしく話し、会場は終始笑いに包まれた。熱心にメモを取りながら聞き入る人や大きくうなずきながら聞く様子も。この日参加した狩場台婦人会の人たちは「今日はよく笑ったわねえ」と笑顔で話した。

※「長時間正座」は親の体罰・厚労省検討会が指針案・しつけとの違い明確化/親の子供への体罰を禁じる改正児童虐待防止法などが来年4月に施行されることを受け、厚生労働省の有識者検討会がまとめた体罰の範囲などに関する指針案の概要が3日、関係者への取材で分かった。しつけとの違いを明確化し、体罰を「身体に苦痛を与える罰」と定義。具体例に長時間の正座などを挙げた。 (産経新聞12月3日(火)抜粋)

※ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書・谷口幸治著)/児童精神科医である筆者が多くの非行少年たちと出会う中で、人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導くメソッドを公開。

※女の機嫌の直し方(インターナショナル新書・集英社インターナショナル・黒川伊保子 著)/人工知能(AI)の研究者が、脳科学やAIの知見に照らして「男性脳」と「女性脳」の違いを論じる。女性脳を知り、女の機嫌の直し方がわかれば生きるのがぐっと楽になる。すべての男たちに贈る福音の書!

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