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垂水区

垂水のいいね!人物編 柔道教室「樽谷塾」 樽谷哲子さん

2019年12月25日号掲載

ちびっこから代表選手まで門戸を開く

柔道教室「樽谷塾」 樽谷 哲子(たるたに のりこ)さん

柔道家の樽谷哲子さんの「樽谷塾」では、未就学児から大人まで、それぞれの年齢や目標に合った柔道を楽しんでいる。

樽谷さん(旧姓・藤本さん)は広島県出身。柔道教室を開いていた父の元で幼い頃から柔道に親しみ、千葉県・松戸馬橋高校では全国優勝、東海大、実業団でも国内や海外の大会で優勝・入賞するなど数々の好成績を収めた。引退後は指導者として後進の育成に当たるとともに、審判員として活躍。全日本柔道連盟の公認審判員、最上級のSライセンスを持つ。2017年に日本武道館で開催された全日本選手権では初の女性審判員として起用された。さらに国際柔道連盟公認の国際ライセンスも持ち、海外の大会に参加することも。審判を務める時は国際大会でも地方大会でも、一週間前から新たな気持ちでルールを読み込み、鏡の前で所作を練習する。「試合に臨む緊張感や集中力は、選手の時と変わらない」という。

同じく柔道家である夫の忠さんとの結婚を機に垂水に居を移し、2010年に「樽谷塾」を立ち上げた。父の道場で障がいのある子どもも共に練習した経験や、生活環境も整っていない中央アジアの国々に遠征した選手時代の体験から、誰もが気軽に柔道に親しんでほしいと自宅に道場を作った。「曜日を決めずいつでも来てもらえるように」月曜から金曜まで開放している。都合で辞める人にも「道場はずっとここにあるから、やりたくなったらいつでもおいで」と話す。

少年部は小学生以下が対象。試合に勝つ喜びも負けた悔しさも、レベルアップのための努力も体験しないとわからない。柔道を通して心技体を磨くことが目標だ。「いつも言っているのは、勝手に自分の能力を決め付けない、ということ。○年生だから、女子だから、練習しても上手くならないから、などと決め付けないでイメージを広げて可能性に挑戦しよう」と指導する。中学生以上の青年部は、部活動をしながらさらに技を磨きたい中高生、昇段を目指す人、趣味として柔道を愛好する人など、年齢も性別もレベルもさまざまな人が道場に集まる。オリンピックを目指すトップ選手が大会前の調整に来ることも。「敷居は低く門戸を広く、これからも柔道に関わる人たちの力になりたい」と、毎日、道場を開いている。

柔道教室「樽谷塾」
垂水区千鳥が丘3-18-18
TEL:767-7486
http://tarutanijuku.web.fc2.com

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