神戸のいいね!旬のおいしいもの編 ゆり根
2019年12月25日号掲載
「無病息災」を願う ゆり根
消費量は関東よりも関西が断然多いゆり根
正月野菜が店頭をにぎわうこの時期。くわいに、金時人参、八つ頭、、、ゆり根もそのひとつ。今回はゆり根を紹介しよう。
ゆり根は、食用のユリの球根部分(鱗茎)で、加熱するとホクホクとした食感になり、ほのかな甘みとほろ苦さがある。主に流通しているのは、苦みが少ないコオニユリで、他にもオニユリ、ヤマユリといった種類がある。生産量の90%以上を北海道が占めるのに対し、消費量は北海道や関東よりも関西が断然多いのは、京料理や精進料理でよく使われているからとか。
甘みのもととなるデンプン質(炭水化物)が主成分のため、100g125kcalとやや高カロリーだが、余分な塩分を排出するカリウムが多く含まれているので、むくみや高血圧の予防効果や、食物繊維も豊富なため整腸作用や便秘予防に効果的だ。
また漢方では「百合(びゃくごう)」と呼ばれ、滋養強壮、免疫力の向上の他、肺に潤いを与え咳を鎮める効果や精神を安定させることから不眠にも効果がある。薬効にも優れていることから、おせち料理のゆり根には「無病息災」の願いも込められている。
紫がかった部分は苦みがあるので、選ぶときは白いものを。短時間の加熱でホクホクに調理ができ、味もクセがないので、茶碗蒸しやおせち料理といった定番の他にも、丸ごと素揚げにしたりバター炒めにしても手軽に美味しくいただける。慌ただしい年末の一品にいかがだろうか。
おせち料理に!ゆり根料理のレシピ
☆下処理☆
①おがくずを洗い流す。
②根元を切り取り、1枚ずつはがしバラバラにして、再度泥などの汚れを洗い流す。
③茶色に変色した部分を切り取る。
◎ゆり根の梅和え
〈材料〉2人分
ゆり根1個、梅干し大1個(梅の練りチューブでも可)
〈作り方〉
❶下処理したゆり根を茹でる。2~3分程度で柔らかくなるので、煮崩れに注意。
❷刻んだ梅干しで①を和える。
◎柚子風味ゆり根きんとん
〈材料〉5・6個分
ゆり根2個、砂糖大さじ2・柚子1個
〈作り方〉
❶下処理したゆり根を柔らかめに茹でる。柚子はよく洗い、皮をすりおろしておく。
❷①を裏ごしして、砂糖を加えよく混ぜ合わせる。
❸②を軽く茶巾絞りして、すりおろした柚子の皮を少々かけ再度茶巾絞りをして、成形する。