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須磨区

名谷駅前の再整備を考えるワークショップ「みんなでつくる名谷駅の将来」

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11月24日(日)、須磨パティオ健康館3階パティオホール(須磨区中落合)で名谷駅前の再整備を考えるワークショップ「みんなでつくる名谷駅の将来」が開かれ、大学生や地域住民など27人と市職員や関係者13人が参加した。主催/神戸市企画調整局未来都市推進課  神戸市では人口減少の著しい西エリアにある拠点駅への取り組みを今後進めるにあたり、西神中央・名谷・垂水エリアを先行して取り組むことで、神戸市の活性化を図ろうとしている。かつて多くの若者や子育て世代に選ばれた名谷駅周辺の開発団地が将来にわたって「選ばれ続ける・住み続けられる」ために、名谷駅周辺にどのような機能が必要かを知り、再生計画に役立てようと今回の市民参加型ワークショップが開かれた。

ワークショップではまず、市企画調整局未来都市推進課の春元崇志さんより、働き方の変化(共働き、職住近接)、人口減少、充実した都市インフラ、まちのポテンシャルは高いなど名谷駅周辺の現状やこれからについて説明が行われた。その後、神戸市から委託を受けたまちづくりコンサルタントの角野史和さん(一級建築士事務所こと・デザイン代表)が司会進行役を務め、写真を使ってパティオや駅周辺の様子を紹介し、駅周辺の利用頻度と評価、それらの理由について参加者に旗揚げアンケート方式で質問。週3回以上利用している人が過半数を占め、銀行や買物、家族で食事に来る人が多く、70%が満足と高い評価だった。

グループワークでは、参加者は大学生、子育て世代、シニア層など立場が近い人たちで5つに分けられた。各グループリーダーの進行のもと、名谷駅周辺に必要な機能を「時代のニーズにあわせたまちの機能向上」「今住んでいる人のための望ましい住み替わり」「新たに住む人のための受け入れ」を検討ポイントにディスカッションを行った。自己紹介後、各人から出た意見を付箋に書き記し、模造紙に項目ごとにわけて貼りわかりやすくまとめていった。会場にはカフェが設けられ、参加者は自由に好きな飲み物を飲んだりお菓子を食べたりしながら、リラックスした雰囲気のなか活発に意見を出し合った。

50分の後、グループリーダーから班ごとにまとめられた内容が発表された。「車のロータリーが狭く、西側にも増設が必要」「地下鉄の料金が高く、大阪までの乗り換えアクセスが悪い」「パティオはどこにでもある大型店ばかりで、魅力的な店がない。個人店や一杯飲み屋、居酒屋がほしい」「駅の北側が暗く夜道がこわいので、照明や監視カメラの設置があれば」などが共通の意見として出た。「地域のつながりがうすい」に対する改善策は「広場でバルとかできたら、つながりの場として盛り上がるのでは」との意見もあった。「災害に強い」「サイズ感がちょうどいい」が共通認識で、住宅面では「古くなっている住宅をおしゃれにリノベーションして今あるものを大切に活かしていく」や、「一人暮らしや大学生が暮らせるシェアハウスなどを駅周辺に建設」などの意見があった。名谷に特化した情報誌がないので、名谷の情報を自ら出したり、情報を得たりできる広報ツールがあれば名谷が盛り上がるのではとの意見も出ていた。

須磨のまちづくり委員であり、幼児教育を学んでいる神戸女子大3年の増馬育美さんはこの日名谷に初めて訪れたという。「駅周辺がにぎわっているので驚いた。色んな人の意見を聞くことができ楽しかったです。地下鉄やバスでベビーカーの利用がしにくそうなので改善が必要かなと思った」と話した。

3歳から26歳まで西落合の実家で過ごし、通勤に便利な中央区で暮らす岡部敏子さん (36)は「現在問題視されている市の施設のように何か物事が決まってしまってから不満に思うのではなく、こうして自分の思いのある場所に対して、意見を言えてよかった。貴重な機会だった」と話し「名谷では単身者の住宅がない。これから家族のあり方も多様化してくると思うので、神戸市が人口構造の三角形を目指すならば新しい暮らし方ができる住宅の建設が必要では」と意見を述べた。

春元さんは「今日出された多くの意見を持ち帰り、短期的にできること、長期的にしっかりと考えていくことに分類し、再整備プランを出していきますので、しばらく注視してください」と呼びかけた。

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