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須磨区

第41回猫の譲渡会

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11月17日(日)、「第41回猫の譲渡会」がエスパスフェリシモホール(須磨区弥栄台)で開催された。事前エントリーした保護猫51匹が参加し、猫を我が家へ迎えたいと願う家族連れなど95人が訪れた。

主催/NPO法人神戸猫ネット、株式会社フェリシモ・フェリシモ猫部

「猫の譲渡会」に参加の猫は人に捨てられたり生まれた時から外で暮らす過酷な経験をした猫で、縁あって保護した保護者が新しい飼い主が見つかるまで大切に育てている。同会は7年前、不幸な猫を増やさない「TNR活動」を知ってもらおうとボランティアメンバーが保護猫の写真展を神戸市役所の市民ギャラリーで開催。その際に「猫の譲渡会開催場所募集」の掲示を見たフェリシモ猫部の松本竜平さんが「ぜひ当社で」と声をかけたことが始まりとなり、2カ月に一度、フェリシモ三宮本社とエスパスフェリシモホールで交互に譲渡会を開いている。

新しい飼い主になるためには飼育可能な住宅に在住、終生飼育・完全室内飼育など7つの条件があり、条件をクリアした希望者は面談申込書記入後、その場で猫の保護者、猫ネットのコーディネーターと三者面談を行う。その後、1~2週間のトライアル(お試し飼育)期間を経て正式な譲渡契約を交わし、保護費用の一部負担金を支払った後、家族の一員として迎える流れ。この日は17匹のトライアルが決まった。

薮智子さん

三者面談

会場に並べられたケージには猫の名前や年齢、性格などの紹介文が掲示され、希望者はその紹介文を見ながらケージ越しに猫と面会し、保護者 と話をしていた。子どもの頃から猫と育ち、結婚後もずっと猫と暮らしたいと願っていたという大谷ひろみさん(垂水区東垂水町)は「3番目の息子が8歳になり、やっと猫が飼える状況になりました。2回目の参加で希望していた大人のメス猫のトライアルが決まり、うれしいです」と笑顔。次女のひろのさん(愛徳学園小4)は「はじめて飼うので楽しみ」とはにかんだ。

保護者の薮智子さん(垂水区柏台)は阪神大震災の後、がれきの下から生まれたばかりの子猫3匹を見つけ、当時高校生だった次男が自宅に持ち帰り、その猫たちを育てたことを機にTNR活動を夫と地域ぐるみで行っている。自身もこれまで120匹の保護者となり、現在も家猫7匹、保護猫3匹と暮らす薮さんは「飼い主さんを見つけるのに近隣だけでは精一杯。譲渡会は範囲が広がるのでありがたい」と話した。この日2匹のトライアルが決まった保護者の山田こずえさん(垂水区千鳥が丘)は「飼い主が決まらないと新たに保護できないのでよかったです」とホッとした表情をみせた。

神戸猫ネットの杉野千恵子理事長は「猫を飼いたいなと思ったら、ペットショップへ行く前にぜひこの譲渡会へ。企業の影響は大きく、私たちの活動を広く知ってもらうためにも、理解してもらえる企業が増えることを願っています」と呼びかけた。

※次回の譲渡会は1月19日(日)、三宮の神戸朝日ビル21階にて昼12時半~午後3時(入場無料)。連絡先はEメール kobenekonet.main@gmail.com「NPO法人神戸猫ネット」まで。

〈NPO法人神戸猫ネット〉地域猫活動を推進し、人と猫が共生できる街をめざして譲渡会の運営、写真展など啓発に関する活動を行っている。ボランティア会員募集中。

〈フェリシモ猫部〉  市と連携し「人と猫が共に生きるまち神戸」をめざして活動中。ふるさとKOBE寄付金(ふるさと納税)」の動物愛護支援事業への寄付者へフェリシモ猫部グッズなどを返礼品として送り、寄付金で地域猫活動を推進。その他、2003年より犬猫の保護と里親探し活動、猫の過剰繫殖防止活動を支援する基金を設立。基金付き猫グッズ販売、毎月1口100円の「フェリシモわんにゃん基金」などで支援を行っている。

〈あいおいニッセイ同和損保〉  神戸市が取り組む「人と猫との共生する社会の実現」を後押しするため、今年11月より「ペットの保険」の新規加入件数に応じて1件につき300円を「神戸市人と猫との共生推進協議会」へ寄付する取組みを開始。野良猫の不妊去勢手術や猫の譲渡推進事業に活用している。

※TNR(地域猫活動)  Trap(つかまえ)、Neuter(不妊手術を施し)、Return(元に戻す)活動。エサやりや健康観察などを継続して、飼い主のいない猫を地域で適正管理をする。

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