第1回西区医療フォーラム「認知症…何が心配??運転?食事?薬?」
第1回西区医療フォーラム「認知症…何が心配??運転?食事?薬?」が10月19日(土)に西区民センター大ホール(西区糀台)にて開催され、多くの市民が来場した。
市は認知症対策を盛り込んだ「神戸宣言」を踏まえ「神戸市認知症の人にやさしいまちづくり条例」を制定し、平成30年4月より施行。また認知症の人へのさらなる支援のための、日本初の認知症診断助成制度「神戸モデル」を導入。〈第1段階〉認知機能検診は、今年1月28日から随時受付けている。
はじめに神戸市西区医師会の荒木邦公会長から「2025年頃までには団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)に達し超高齢化社会を迎える。認知症について正しく理解してもらいたい」と開会のあいさつがあった。
認知症は、加齢によって多くの人がなり得る病気。認知症の人にやさしいまちを目指し、今年4月より本格的にスタートした認知症「神戸モデル」について神戸市保健所西保健センターの西みどりさんが解説した。
今年3月の推計では神戸市の高齢者人口42・8万人のうち認知症高齢者は6・4万人に及ぶ。神戸市は政令指定都市で初となる、「認知症の人にやさしいまちづくり条例」を平成30年4月に施行。その条例を基に導入された認知症「神戸モデル」は①診断助成制度②事故救済制度③超課税の導入の3つの柱で成り立つ。
診断助成制度は、65歳以上になる市民が地域の医療機関(平成31年4月では375カ所)で認知症診断検診を受けることができる制度(無料)。認知症「神戸モデル」特設サイトから申し込みができ、必要であれば自己負担なしで精密検査も受けることができる。
この制度で認知症と診断された人が事故を起こし賠償責任を負われた場合(家族を含む)、神戸市が保険料を負担して賠償責任保険に加入する。自動車事故など対象外もあるが最高2億円を保証する。この神戸モデル実現のために一人あたり年間400円の税金を上乗せし、社会全体で支える。これからの取り組みとして、通院介助などを行う見守りヘルパー事業など、認知症と診断された後の支援についても推進している。
春日台から参加した60代主婦は「垂水に住んでいる89歳の母親が耳が遠く、この頃受け答えがおかしいと感じる時がある。心配なのでこのフォーラムに参加しました」と話した。
石原内科の石原建造院長からは、「神戸モデル」における診療所の関わりや認知症の特性、予防戦略についての話があり予防するための運動や社会参加の必要性を呼びかけた。認知症における精神科病院の役割や、食事中にムセる、噛めない食べ物が増えるなどのオーラルフレイルとその予防、薬剤師による服薬サポートの話など、日頃患者と接しする病院の医師から分かりやすい説明があり充実した講演会となった。