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垂水区

垂水のいいね!電車と散歩編 山陽須磨寺駅

2019年10月23日号掲載

〈第7回〉山陽須磨寺駅 & 駅周辺散歩

山陽電車「須磨寺駅」は、 智慧の神様への玄関駅。 須磨寺へ向かう人の表玄関で、 須磨寺と綱敷天満宮を結ぶ 「知恵の道」もある

 今回は、山陽電車「須磨寺駅」の近隣を訪問。同駅の改札は北側のみ。出るとすぐに「須磨寺前商店街」があって、その通りを北に向かえばその先にある「須磨寺」に行くことができる。

しかし今日は踏切を渡って、一旦南側に向かう。目的地は300mほど南にある「綱敷天満宮」。

通称『須磨の天神さん』として知られ、学問の神様として崇められる菅原道真を祀っている。綱敷天満宮と須磨寺を結ぶ道は、「須磨智慧の道」と名付けられ、合格祈願のために受験生がお参りする道としてよく知られている。今日はその道を歩いてみようと思い、まず最初に綱敷天満宮を訪ねた。

その昔、九州へ向かう道真が風雨を避けて立ち寄った際、漁師が漁に使う大綱で巻円座を作ってもてなしたという故事から「つなしき」という名が付けられたとのこと。成功を収めるために、うまく時流の波に乗ることを祈願する「波乗り祈願」もある。そして『波乗り』つながりで、サーファーもよくお参りに来るという面白い話も聞くことができた。

そこから北に進む。駅の横にある踏切を渡って須磨寺前商店街を抜けると、休憩所や「須磨霊泉」などがある。さらに200mほど歩くと須磨寺の入り口に辿り着く。今回は寺の東側にある「須磨寺公園」にも立ち寄った。公園内には、大きな池や広場、裏山などがあり、市民の憩いの場となっている。

その後、いよいよ「須磨寺」へ。同寺の正式名は「上野山福祥寺(じょうやさんふくしょうじ)」。須磨寺門前にある朱塗りの龍華橋を渡り、仁王門を過ぎると境内が広がっている。

同寺は真言宗の開祖である弘法大師をお祀りしていて、日本人には馴染みの深い『いろは歌』を考案したのが弘法大師であるという説もある。
広い境内には「弁慶の鐘」や「義経腰掛けの松」 「敦盛の首塚」といった多数の史跡が点在している。それらに加えて「七福神マニコロ」や「一願成就の大数珠」 「わらべじぞう」などのユニークな置物があることでも知られている。

それらを探しながら境内を回れば、1時間以上楽しめる。寺の裏は北東にある横尾山につながっているので、坂道や階段も多い。本格的に見学するには、歩きやすい靴を選ぶなど、しっかりと対策をして行った方がいいだろう。
長かった今年の残暑もようやく終わり、気候の良い秋の散歩にはピッタリのコースではないだろうか。

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