垂水のいいね!学校編 多聞東中学校 吹奏楽部
2019年10月9日掲載
多聞東中学校 吹奏楽部
校訓 『自立と創造の人であれ』 のもと、幼保園との交流授業や環境教育に力を入れるなど特色ある取り組みも盛んな多聞東中学校。地域の行事にも生徒会を中心に積極的に参加し、部活動でも運動部は総体や公式戦で優秀な成績を収め、文化部はさまざまな行事で陰に陽に力を発揮。その文化部の中で今回注目したのは吹奏楽部。これまでにも全国大会などの大舞台で戦ってきた同部の強さの秘訣を訊いた。
9月23日に開催された「第47回関西マーチングコンテスト」に多聞東中学校吹奏楽部は兵庫県代表として出場。近畿6府県の強豪31校が渾身の演奏を繰り広げた中学校の部で見事、金賞に輝いた。指導する先生によれば、「生徒たち自身にすごく力がある。日頃の練習でも特に指示をしなくても自主的に相談しながら進めていて、1年生は2年生や3年生の真似をして自然とうまくなっていく。それもひとつの伝統でしょうね」。
長く顧問を務めていた先生が今春異動になり、新年度とともに新体制に。先生自身にもプレッシャーはあったというが、「今までできていたことができなくなるのではなく、変わったからこそできることは何だろうと考えました」。大変な時でも一番の原動力になったのは、「生徒たちのいい笑顔を見たいという思いでした」と振り返る。『動く吹奏楽』と呼ばれるマーチングは演奏しながら行進やダンスなどの隊形移動が加わり、目でも耳でも聴衆を魅了する。行進は5メートルを8歩で移動する等の課題があり、練習には30メートル四方のスペースが必要。猛暑の夏休みも炎天下の練習が続いた。「限られた時間でどれだけ質の高い演奏ができるか。それには生徒たちの意識が何よりも大切で、彼らはいろんなことと戦っていたし、今もずっと挑戦し続けています」。
「特に1年生は5月に入部した頃と現在では雲泥の差で、わずか数か月でよくここまでできるようになりました」。
コンクール上位常連校である強さの秘訣を尋ねると、「生徒たちの素直さです」。「時には耳の痛い話もしなければいけません。が、それをスッと素直に『じゃあそのダメなところをしっかり頑張ろう』とプラスにとらえることができる。2年生のメンバーは去年までは先輩に頼る部分もあったけど、今年は後輩ができ今度は自分が先輩として後輩に何を言わなきゃいけないか、どう言ってあげたら伝わるか。それをすごく考える。そうやって伝えたことを1年生が素直に受け止め、そこから1年生がレベルアップしていく。3年生は最高学年の自覚を持ち、自分たちの代で結果を残したいという思いが行動や言葉、表情に出る。そういう素直さが彼らの強みだと思います」。
地域のお祭りなどイベントに招かれて演奏する機会も多い。今春にあった「垂水区善行青少年表彰のつどい」で記念演奏を行った際も、晴れ晴れとしたさわやかな演奏に大きな歓声と拍手が贈られていた。「音楽を通して人を元気にしたり、誰からも愛されるバンドに、みんなに可愛がられる子たちになってほしい」という先生たちの願いを部員は日々の練習と努力で叶えているように思う。一人ひとりの力を結集することでバンド全体、チーム全体が強力になり結果へとつながる。「気持ちは音や言葉に表れる。だからこそ日頃のコミュニケーションが大切」と語る先生の言葉は、吹奏楽部のみならずすべての生徒、そして大人にも通じる。最後に部員へ贈りたい言葉はありますかとの問いにこう答えてくれた。「日本は吹奏楽人口が多く、大人になっても趣味として続けることができます。その基礎を中学時代に築けたら一生の宝になると思う。そのために自分たちも頑張ります」。
〈所在地〉 垂水区学が丘3丁目1-1
〈U R L〉 http://www2.kobe-c.ed.jp/tmh-ms/