第9回2000人ギター弾き語り
9月7日(土)、大本山須磨寺(須磨区須磨寺町)で「第9回2000人ギター弾き語り」が開催され、子どもから大人まで約400人が、それぞれ好きな楽器を持参し集合。気仙沼へ熱い応援エールをおくった。
大人数の弾き語りで東北を応援する企画「2000人ギター弾き語り」は、福島県郡山市出身、神戸市須磨区のシンガー・ソングライターしんごお兄さん(本名・岩元真吾さん)が実行委員会の代表を務め東日本大震災が発生した2011年にスタート。「この活動は東北だけのためのチャリティーとして10年間続けます」と宣言し今回で延べ約3千600人の参加となった。参加者からの募金でこれまでギターやウクレレなど168本を宮城県や福島県、岩手県の幼稚園、小中学校へ届けている。
会場となった須磨寺の小池陽人副住職は「須磨寺は笛の名手である平敦盛の菩提寺であり、音楽が合う寺だと思っています。毎年水害など大きな災害がありますが、被災された方々に心を寄せることが一番大切。東北に祈りを込めて歌いたい」とあいさつ。もともと自らもデュオを組む音楽好きだという。
参加者は「初心者は緑、経験者はオレンジ」など実行委員が毛糸でつくった目印のミサンガを受け取り、本堂周りに用意された座席についた。最初にしんごお兄さんのリードで「弾き語り教室」が始まった。ギターコードの練習はコマーシャルでお馴染みの、「ホテルニューアワジ」の音に合わせるなど陽気なトークで参加者の笑いを誘う。初心者には難しいFコードのカッコいい見せ方などのレクチャー後、今回の練習曲「小さな世界」を通しで演奏した。
同企画で当初目指していたのは「ギターでギネスに挑戦」だったというが、それをやめ楽器の制限をはずすと子どもたちの参加が激増。当日もピアニカ、カスタネット、マラカス、タンバリンと年齢を問わない幅広い集まりとなった。
日も陰り、いよいよ本番。しんごお兄さんが「宮城県の気仙沼市に向かってエールを送りたいと思います」と一声かけるとドドンドドンドンの太鼓の音に合わせて参加者全員が手拍子を打ち、両手を上げて「け~せんぬま」とコールを10回送った。その後、ギターやウクレレ、オカリナ、鈴など10種類以上の楽器を演奏しながら参加者全員が心をひとつにして「小さな世界」を大合唱。締めくくりに東北の人気レスラーをもじって活動している覆面レスラーKENみちのくさんがお寺の鐘を打つと「がんばれ~ !けせんぬま~」と叫びながら、全員が握りこぶしを力強く天に向けエールを送った。続いて「上を向いて歩こう」を全員で演奏しながら大合唱。最後にNPO法人ウィズアス副理事長(元サンテレビジョン取締役)の門前喜康(もんぜんよしやす)さんのドラムと木魚、小池副住職が太鼓を叩き般若心経を読経、参加者は安寧を祈って手を合わた。 ギター持参で参加した灘区の小松代朋周さんは「今回で4回目、今年も楽しかった。気仙沼に思いが届くといいですね」と笑顔で話した。しんごお兄さんは「来年でいよいよ第10回ファイナルを迎えます。タイトルに『2000人ギター』とありますが、楽器は何でもOK。上手い・ヘタも関係なし、まったく弾けなくても大丈夫。手拍子での参加も大歓迎。好きな楽器もって、須磨寺で集まろう!」と呼びかけた。