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みらいかんエコ教室 ビオトープのいきものたち~昆虫編~

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8月3日(土)こうべ環境未来館(西区見津が丘)で、みらいかんエコ教室「ビオトープのいきものたち~昆虫編~」が開催され、多数の応募者の中から抽選で選ばれた小学生以下の子どもと保護者の14組36人が参加した。講師は兵庫・水辺ネットワークの大嶋範行さん。

まずはじめに大嶋さんから昆虫を囲む環境の変化などの話があった。温暖化の影響なのか30年前に初めて神戸で発見されたタイワンウチワヤンマなどが今では普通に見られたり、昔は沖縄などでしか見られなかったイシガケチョウも櫨谷町で生息が確認されている。日本には203種類のトンボがいるが、神戸ではそのうち93種類も見られるという。

トンボは水辺の植生(植物の生え具合)が豊かな池を好み生息するが、近年の田んぼ周辺の整備や稲の農薬、里山の減少によりその数は減っている。環境未来館のビオトープには、蓮などのほか、神戸市内での絶滅が決定的になり、保全のために避難させているデンジソウやトチカガミ、オオフトイなどがあり植生も豊かでトンボ以外にもカマキリ、蝶などの昆虫も集まってくる。

参加者たちお待ちかねのビオトープでの野外観察では、子どもたちは俄然イキイキと虫網を手に走り回っていた。トンボの名前を大嶋さんに確認したり、虫網に入れて捕まえたものの触るのに苦労する姿も見られた。この日確認されたのはキイトトンボやショウジョウトンボなどトンボが8種類、カマキリ、イナゴ、絶滅危惧種のニホンアカガエルなど。

長田区の日高慈騎(いつき)くん(小2)と郁弓(いくみ)さん(小4)は両親と4人で参加。自宅で猫のほか100匹近くのメダカやクワガタも飼育し、庭には蝶の幼虫もいるという生き物好き一家。「子どもたちが家で身近に昆虫を見られる環境にしたかった」と母親は話す。虫が好きな慈騎くんは「ヤゴを見るのを楽しみに来た」とワクワク。兵庫区から小4の愛莉さんと参加した松田さん親子は、自宅でオカメインコなどを飼育している。「自宅周辺では自然と関わることが少なくなったので、私が童心に帰って楽しかったです」と母親も野外観察を楽しんだ様子だった。

大嶋さんは「自然を守って行くためには子どものうちから自然で遊び、好きになって興味を持ってもらうことが一番。そして関心を向けてもらい、自然を保全する気持ちに繋がって欲しい。だからこれからも子どもたちに伝えていきます」と話した。大嶋さんは昔は数多くいた昆虫や植物が絶滅危惧種になっていくのを間近で見ており、保全活動の後継者不足の現実も肌で感じているという。

こうべ環境未来館は、地球温暖化防止やごみ問題などの情報展示、生きもの観察会、環境学習ができる施設。環境にやさしい地域づくりにも取り組んでおり、10月5日(土)にもビオトープでの生きもの観察イベントを実施予定。

詳しくは、こうべ環境未来館まで。TEL(995)3196  http://www.kobe-miraikan.com/

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